アメリカの牛豚
本文約1,400字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
シカゴのアイルランド料理店でロブスターの味を確かめ、ニューヨークではカフェテリアや日本料理店の食事を体験する。アメリカの牛豚肉の品質に対する厳しい評価とともに、現地の街中で見かける事務的な食事風景や、イタリア料理店で味わった魚料理の感動などを綴る。異国の食文化に対する率直な感想と、現地の食習慣における独特の驚きを記した紀行文。
💰 この本を応援する(投げ銭)
小島政二郎君
シカゴの話の続きを書きます。シカゴでは、もう一軒、アイルランド人の経営している料理屋へ行ってみました。ここはやはりロブスター(伊勢えびの類。ただし伊勢えびには鋏がないが、ロブスターにはザリガニのように大きなはさみがある。はさみの大きさ、全身の三分の二くらい)の料理を売り物にしています。
水族館のように、ガラスのケースの中に塩水を満たし、それがロブスターの生簀というわけです。客はガラス越しに見て、好きな大きさの奴を選べば、それをすぐ料理してくれる仕かけになっていますが、味はサンフランシスコのグロット(イタリア料理店)で食べた伊勢えびとは比較にならず、ロブスターは頭が大きいから、もしかしたら脳みそがうまいかも知れないと思い、食べてみましたが一向うまくなく、肉は締まり過ぎていて味がありません。
さて、ニューヨークですが、ここでも土地のひとが最初に案内してくれた家は、アイルランド料理店。ここはカフェテリア式の店で、前もって作ってある肉やサラダを、客が陳列してあるところまで行って、好みに合ったものを自由に取れるようになっています。これでは料理の生命ともいうべき新鮮さがなく、不潔感さえあって僕は食べる気になれませんでした。そこで、特に注文してビーフステーキを焼いてもらいましたが、日本の牛肉の方がはるかにうまい。ただし焼き方はわりにようござんした。驚いたことに、ビーフステーキの大きさは日本の三倍もあり、二人で十三ドル五十セント取られました。
概してアメリカの牛豚類の肉は、うまくありません。辛うじて小羊の脇腹の肉が合格程度、ミルクも卵もよろしからず。
ニューヨークについての最初の印象は、アメリカ人の食欲の旺盛さと、食べ方の実に事務的なことです。