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TORENDIA

塩鮭・塩鱒の茶漬け

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

塩鮭と塩鱒を用いた茶漬けの作り方や、食通が満足するそれぞれの食材の味わい、適した部位の選び方を綴る。鮭は新巻を焼き、煎茶をかけて食すのが格別であると説き、一方で鱒は濃塩のものを御飯に載せ、皮と共に熱い茶を注ぐことで、鮭にはない独特の美味しい汁が出ることを論じる。また、部位ごとの味わいの違いや、労働者たちの食事に見られる即席の鱒スープにも触れ、この質素ながら奥深い茶漬けの魅力を紹介する。

北大路魯山人

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🎧 塩鮭・塩鱒の茶漬け / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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さけとますとは、素人目には一見似たものではあるが、味から言えば、さけよりますの方がはるかに優る。

さけは淡塩があり、またやわらかいものがある。東京では、これらの中から自由に選択することができる。この中でさけの一番美味いのは、新巻と称するものである。新巻などの場合は、焼いたものを茶漬けにして食べるべきである。番茶ではちょっと不味いが、煎茶をかけての塩じゃけの美味さはお茶漬け中の逸品で、雑念をはらって没頭できるほどの味を持っている。さけの茶漬けは、まぐろやてんぷらのように、飯の上に載せて茶をかけぬ方がいいようである。

ますにも淡塩、濃塩など、いろいろあるようではあるが、一見みすぼらしい板のようになった薄っぺらなほうが茶漬けには適する。これらはいかなる寒村僻地にも行き渡っている品で、一尾百円か、大きくても二百円くらいのものであろう。鉄錆を見るように真っ赤になった塩ます、これがますの中でも一番美味いようである。さて、この濃塩の板のようになっているますの肉をむしり取って、御飯の上にのせる。この際、忘れてならないことは、皮もいっしょに御飯の上にのせて、その上からあついあついお茶をかけることである。

元来、塩からいますのことであるから、この茶漬けには、塩をかける必要も生醤油をかける必要もない。ます自身の塩加減で充分である。さけは御飯の上に載せてお茶を注いでもあまり美味い汁は出ないが、ますの方は、とても美味しい汁が出る。

この汁の美味さは、とてもさけの及ぶところではない。

ただ、注意しなければならないことは、腹の薄身のところは取りのぞくことである。さけの新巻などになると、この腹の薄身のところこそ、かえって一番味のいいところであるが、ますの場合は苦くて味が悪い。さけもますも皮を食べぬ人があるが、野暮な話と言わねばならぬ。だから、食通はさけの切身なら、しっぽのほうを選ぶ。これはしっぽのほうが美味しい皮がたくさん付いているだけでなく、肉の繊維が強いからである。従って、歯ごたえが強く、中間の肉に優るものがある。

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