TRENDIA CLASSIC
よい書とうまい
書
北大路魯山人
1 / 10
古来世間でいう「うまい書」というものには、例えば夏の夕、裸であぐらをかいて、夕顔棚の下で涼しい顔をしているようなのがある。
それではまた、先輩諸君を前にして失礼でございますが、また実学上のことを話さしていただきます。
今日、字のことは、相変らずうまいとか、まずいとかいうことで済んでしまっておるようでありますが、前に申し上げましたように、うまいとか、まずいとかいう事はなかなか簡単に片付けられるようなものではありません。ただ、うまいといった所で、うまいのはどうだとか、まずいのはどうだとかいう意義が詳しく得心の行くように分って来なければならないと思うのであります。うまい書は夕顔棚の下で涼しい顔をしておるような、呑気に、洒々として書いておるようなのがございます。例えば、江月和尚のごとき、原伯茶宗のごとき、あるいは、一茶の書なんぞは、そんなことをいって宜しいと思います。
かと思うと、同じ能書でありながら、容姿端麗そのもののようなものもある。
また堂々と三軍を叱咤するような勢いあるものもある。
それからまた非常に厳然とした形の上に正しい謹厳な書もあります。それも能書の中に這入っている。それからまた堂々三軍を叱咤するような勢いのよい字もある。みなさんも、そういう書のある事をご承知であろうと思いますが……。
その他、痩躯鶴のごとき、あるいは鈍愚驢馬のごとき、さては富有牡丹のごとき、なよなよと可憐な野に咲く撫子のごとき、細雨のごとき、あわただしい夕立のごとき等々、形容すれば際限のないほど、いわゆる能書なるものに様々な「柄」がある。
北大路魯山人の他の作品
TRENDIA CLASSIC
遠州の墨蹟
北大路魯山人
遠州の墨蹟
北大路魯山人 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
古唐津
北大路魯山人
古唐津
北大路魯山人 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
余が近業として
陶磁器製作を試
みる所以
北大路魯山人
余が近業として陶磁器製作を試みる所以
北大路魯山人 ・ 約3分
TRENDIA CLASSIC
愛陶語録
北大路魯山人
愛陶語録
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
明石鯛に優る朝
鮮の鯛
北大路魯山人
明石鯛に優る朝鮮の鯛
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
甘鯛の姿焼き
北大路魯山人
甘鯛の姿焼き
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
アメリカの牛豚
北大路魯山人
アメリカの牛豚
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
味を知るもの鮮
し
北大路魯山人
味を知るもの鮮し
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
鮎の食い方
北大路魯山人
鮎の食い方
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
鮎の試食時代
北大路魯山人
鮎の試食時代
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
鮎の名所
北大路魯山人
鮎の名所
北大路魯山人
TRENDIA CLASSIC
鮎ははらわた
北大路魯山人
鮎ははらわた
北大路魯山人