TRENDIA CLASSIC

基督信徒のなぐさめ

内村鑑三

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明治二十四年四月十九日いわゆる『第一高等中学校不敬事件』ののちに、余のためにその生命を捨し余の先愛内村加寿子に謹んでこの著を献ず、願くは彼女の霊天に在りて主と偕に安かれ。

鑑三

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“If I can put one touch of a rosy sunset into the life of any man or woman, I shall feel that I have worked with God.”―― George MacDonald.

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自序

心に慰めを要する苦痛あるなく、身に艱難の迫るなく、平易安逸に世を渡る人にして、神聖なる心霊上の記事を見るも、ただ人物批評または文字解剖の材料を探るにとどまるものは至少の利益をもこの書より得ることなかるべし。

しかれども信仰と人情とにおける兄弟姉妹にして、記者とともに心霊の奥殿において霊なる神と交わり、悲哀に沈む人霊と同情推察の交換をなさんとするものは、この書より多少の利益を得ることならんと信ず。

この書は著者の自伝にあらず、著者は苦しめる基督信徒を代表し、身を不幸の極点に置き、基督教の原理を以て自ら慰さめんことを勉めたるなり。

書中引用せる欧文は必要と認むるものにして原意を害なわずして翻訳し得るものは著者の意訳を附せり、しかれども訳し得ざるものまたは訳するの必要なきものはそのままに存し置けり、ゆえに欧文を解し得ざる人といえどもこの書を読むにおいて少しも不利益を感ぜざることと信ず。

明治二十六年一月二十八日 摂津中津川の辺において    内村鑑三 [#改ページ]

第二版に附する自序

この書世に生れ出てより五ヶ月今や第二版を請求せらるるに至れり未だ需要の多からざる純粋基督教書籍にしてここに至りしは満足なる結果と称して可ならむ

第二版は初版と異なるところはなはだ少し、誤植を訂正し引用欧文の訳解を増補せしのみ

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