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TORENDIA

經つくゑ

本文約7,000字 ・ 読了時間 約14分

あらすじ(AIが作成しました)

医科大学の助手・松島忠雄は、その美貌と才知から周囲の女性たちの憧れの的でありながら、ある家へ足しげく通っていた。そこには旧幕臣の遺児・お園が、老婢・お民と共にひっそりと暮らしている。松島は世間の噂や冷ややかな態度をものともせず、お園の教育や世話を親身に行うが、お園は彼を拒み続け、二人の関係は周囲の憶測を呼ぶ。やがて松島が札幌へ転勤することとなり、二人の関係に変化が兆す中、衝撃的な事実がもたらされる。

樋口一葉

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🎧 經つくゑ / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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一

哀れ手向の花一枝に千年のちぎり萬年の情をつくして、誰れに操の身はひとり住、あたら美形を月花にそむけて、世は何時ぞとも知らず顏に、繰るや珠數の緒の引かれては御佛輪廻にまよひぬべし、ありしは何時の七夕の夜、なにと盟ひて比翼の鳥の片羽をうらみ、無常の風を連理の枝に憤りつ、此處閑窓のうち机上の香爐に絶えぬ烟りの主はと問へば、答へはぽろり襦袢の袖に露を置きて、言はぬ素性の聞きたきは無理か、かくすに顯はるヽが世の常ぞかし。

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