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TORENDIA

世界平和の趨勢

本文約6,700字 ・ 読了時間 約14分

あらすじ(AIが作成しました)

科学の進歩に伴う兵器の破壊力の増大や、経済の国際的な相互依存関係の深まりによって、列強間の大規模な戦争は事実上不可能であることを論じる。また、過大な軍事費負担により国民生活が困窮する現状を指摘し、軍備競争が限界に達しつつあると分析する。国家が兵力を用いず正義によって紛争を解決する世界平和の兆しを見出し、各国の為政者や国民の覚醒による軍備制限の実現を展望する評論である。

大隈重信

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平和の曙光  元来、平和は弱いものであるから、強い者が出てこれを破ろうと思えば容易に破り得らるるものである。故にあくまで平和主義を持して国際競争場裡に立ち、優勝を制せんことは、過去は勿論、現時に於てもほとんど絶対に不可能のことである。如何なる場合にありても戦争をせないということは、即ち敵手国に屈従をあえてするという意味である。かの宋朝が絶対平和主義を持して北方の強たる金及び元に苦しめられ、胡澹庵をして慷慨のあまり、秦檜、王倫斬るべしと絶叫せしめた上奏文を見ても、如何に絶対平和主義を持する国家の憫れむべきものであるかが分かる。古今東西の歴史の示すところ、絶対平和を持する国が他の強国と対峙して優勝を制した例はない。故に一国といえども強兵を挟んで他を侵略せんとするの意図を有する間は、世界的の平和を期することは不可能である。さらば世界的の平和は到底望むべからざるかというに、決してそうではない。平和の曙光は今日既に見えて来たのである。

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