TORENDIA
帝室論
福沢諭吉
TORENDIA
帝室論
本文約26,000字 ・ 読了時間 約53分
あらすじ(AIが作成しました)
日本の政治が立憲国会政党へ移行する情勢下で、福沢諭吉は帝室が政治的論争や党派的対立に巻き込まれることを強く憂慮する。本書は、政治から離れた存在として帝室を捉え、その尊厳と神聖をいかに守るべきかを論じる。国民の精神的拠り所としての帝室の重要性を説き、特定の政治的思想や党派に偏ることなく、無偏無党の存在として超越的に立つことが、結果として国民の安寧と国の永続に繋がるという持論を展開する。
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帝室論緒言
我日本の政治に關して至大至重のものは帝室の外にある可らずと雖ども、世の政談家にして之を論ずる者甚だ稀なり。蓋し帝室の性質を知らざるが故ならん。過般諸新聞紙に主權論なるものあり。稍や帝室に關するが如しと雖ども、其論者の一方は百千年來陳腐なる儒流皇學流の筆法を反覆開陳するのみにして、恰も一宗旨の私論に似たり。固より開明の耳に徹するに足らず。又一方は直に之を攻撃せんとして何か憚る所ある歟、又は心に解せざる所ある歟、其立論常に分明ならずして文字の外に疑を遺し、人をして迷惑せしむる者少なからず。畢竟論者の怯懦不明と云ふ可きのみ。福澤先生茲に感ありて帝室論を述らる。中上川先生之を筆記して通計十二篇を成し、過日來之を時事新報社説欄内に登録したるが、大方の君子高評を賜はらんとて、近日に至る迄續々第一篇以來の所望ありと雖ども、新報既に缺號して折角の需に應ずること能はず。今依て全十二篇を一册に再刊し、同好の士に頒つと云。
明治十五年五月編者識 [#改丁]
帝室論
福澤諭吉 立案
中上川彦次郎 筆記
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