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映画館の数字でたどる ― 十一億人が通った一九五八年から、一億八千万人を超えた二〇二五年まで

本文約8,200字 ・ 読了時間 約17分

湊 ひびき

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🎧 映画館の数字でたどる ― 十一億人が通った一九五八年から、一億八千万人を超えた二〇二五年まで / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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著者: 湊 ひびき

はじめに ― 一枚の表から

映画館に、どれくらいの人が行っているのか。その数字は、一般社団法人日本映画製作者連盟、通称は映連という団体が、毎年まとめて発表しています。映連は、映画の業界の団体です。例年、一月ごろに、前の年の映画産業のデータを公表しています。

映連のホームページには、「過去データ一覧」という表があります。一九五五年から二〇二五年まで、入場者の数と興行収入が、年ごとに並んでいます。この本では、その表から、いくつかの年を選んで、映画館に人が集まった数の移り変わりをたどります。

ここで扱うのは、数字と、その数字を発表している団体の説明だけです。どの映画が話題になったか、俳優の私生活、映画会社の内情には触れません。数字の理由について書くところは、筆者の見方として、事実とは分けて書きます。

数字は、映連の表に書かれているとおりに書きます。大きな数字は、読みやすいように、万や億の単位に直しました。読むときは、「千人」と「百万円」の単位だけ、頭に入れておいてください。表の入場者数は千人単位、興行収入は百万円単位で書かれています。

もうひとつ、大切な注意があります。入場者数は、延べの人数です。同じ人が、何回も映画館に来た場合も、そのたびに数えられています。ですから、映画館に行った人の数ではなく、映画館に入った回数の合計だと思って読んでください。

1. 一九五八年 ― 十一億人が通った年

表の中で、入場者がいちばん多かった年の数字を、まず見てみましょう。一九五八年の入場者数は、十一億二千七百四十五万人です。十一億を超える数字が、ひとつの年の映画館の入場者として書かれています。

同じ年の興行収入は、七百二十三億四千六百万円です。入場者の数で割ると、一人あたりのおおよその金額が出ます。計算すると、六十四円ほどになります。映連の表には平均料金の列もあり、この年は六十四円と書かれています。割り算の数字と同じです。

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