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著者: 湊 ひびき
はじめに ― 一枚の表から
レコードや、テープや、CDのような、音楽のソフトは、どれくらい作られてきたのか。その数字は、一般社団法人日本レコード協会、通称はRIAJという団体が、ホームページで公開しています。日本レコード協会は、レコード会社の団体です。
この本で使うのは、「音楽ソフト種類別生産実績推移」という一枚の表です。一九二九年から二〇二五年までの、種類ごとの生産の数量と、生産の金額が、年ごとに並んでいます。ただし、金額の列は、一九五二年から始まっています。一九二九年から一九五一年までは、数量だけが載っています。
表の単位は、数量が「千枚・巻」、金額が「百万円」です。この本では、大きな数字を、読みやすいように、万や億の単位に直して書きます。「千枚」は、千の枚数のことです。「百万円」は、百万の円のことです。
もうひとつ、大切なことがあります。この表は、「生産実績」の表です。店の棚に並んだ数や、買った人の数とは、同じではありません。作られた数の移り変わりを、数字でたどるものだと思って読んでください。
表には、CDの列もあります。ただし、列の名前と並び方は、年代によって変わります。そのため、この本では、列ごとには読みません。一年ごとの総合計だけを使います。
計算した数字は、「計算すると」と話して分けます。理由は、表には書かれていません。理由を書くところは、「筆者の見方」として分けます。
この本では、表の全部の年を一年ずつ読むことはしません。山と谷が見える年や、区切りになる年を選んで、たどります。取り上げなかった年の数字を、推測で埋めることもしません。
1. 一九五八年 ― 一千七百万枚を超えた年
表の数量は、一九五二年から一九五八年にかけて、ほとんど変わりません。一九五二年の数量は、一千七百八十万六千枚です。一九五八年は、一千七百二十万一千枚で、計算すると、三パーセントほど少なくなっています。この時期は、まだ、音楽ソフトの数が、大きく増える前の時代です。