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はじめに ― 表の一行ずつを、ゆっくり読む
この本で読むのは、日本相撲協会が公式のサイトで公開している『歴代大関一覧(昭和以降)』の表です。表には、四股名、在位の年月、優勝の数が載っています。その表に、五十三人の名前があります。
いちばん上は、昭和二年に大関になった能代潟です。いちばん下は、令和八年に大関になった安青錦です。そのあいだにいる人を、時代ごとに、ひとりずつ見ていきます。
この本には、三つの約束があります。
ひとつめ。事実として書く数字は、公式の表と、一人ずつの公式のページに書かれたものだけです。足し算や引き算は、そのつど『計算』と書きます。
ふたつめ。力士の名前は、四股名で書きます。私生活や健康、噂、引退したあとのことには、ひとことも触れません。
みっつめ。どの大関が強かったか、という話はしません。数字を並べて、流れを見るだけです。評価や理由は、『筆者の見方』として、数字とは分けて書きます。
この本は、横綱の本とは、違う見方もします。横綱の表と照らし合わせて、同じ人が二つの表にいるかを、確かめました。その結果は、第十章で書きます。
全体は、時代ごとの八つの章のあとに、数字を並べた章、横綱の表との照らし合わせの章、同じ時期に並んだ大関の章、注意の章が続きます。
耳で聴く本です。年号は、ゆっくり読んでください。昭和、平成、令和の順に、時代が進みます。
数字の読み方 ― 三つの言葉
数字を読む前に、言葉を三つ決めておきます。
ひとつめは、在位です。大関になった年月から、退いた年月までのことです。月数は、始まりの月は数え、退いた月は数えません。たとえば、一月に始まって五月に退いた人は、四か月です。表の在位の欄には、年月が一組だけ書かれている人と、二組書かれている人がいます。一組だけの人は、四十二人です。計算の結果です。二組ある人は、十一人です。計算の結果です。