TORENDIA
屋上の狂人
菊池寛
TORENDIA
屋上の狂人
本文約7,500字 ・ 読了時間 約15分
あらすじ(AIが作成しました)
瀬戸内海の島に暮らす勝島義太郎は、常に家の屋根へ上り屋上から海上を眺めるという奇行を繰り返す。家族は義太郎を心配し、祈祷師を招いて治療を試みるが、弟の末次郎はそれを詐欺だと一蹴する。巫女が立ち去った後、義太郎は相変わらず屋根の上で金色の夕日を眺め、弟と共にその幻想的な世界に浸る様子を描く。
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人物
狂人 勝島義太郎 二十四歳
その弟 末次郎 十七歳の中学生
その父 義助
その母 およし
隣の人 藤作
下男 吉治 二十歳
巫女と称する女 五十歳位
時
明治三十年代
所
瀬戸内海の讃岐に属する島
舞台 この小さき島にては、屈指の財産家なる勝島の家の裏庭。家の内部は結いめぐらした竹垣に遮ぎられて見えない。高い屋根ばかりが、初夏の濃緑な南国の空を画っている。左手に海が光って見える。この家の長男なる義太郎は、正面に見ゆる屋根の頂上に蹲踞して海上を凝視している。家の内部から父の声がきこえる。
義助 (姿は見えないで)義め、また屋根へ上っとるんやな。こなにかんかん照っとるのに、暑気するがなあ。 (縁側へ出て)吉治! 吉治はおらんのか。