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TORENDIA

アラビヤンナイト

本文約17,600字 ・ 読了時間 約36分

あらすじ(AIが作成しました)

しなのの都に住むなまけ者の少年・アラジンは、叔父を名乗る男に誘われ、宝物が眠るという地下の洞窟へ向かう。そこで不思議な力を持つランプを手に入れたアラジンは、ランプの魔人の力を借りて王女との結婚を果たすなど、数々の困難を乗り越えていく。しかし、宝物を狙う魔法使いたちが執拗に彼らを陥れようと画策し、アラジンは平和な暮らしを守るため、その陰謀に立ち向かっていく。

菊池寛

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昔、しなの都に、ムスタフという貧乏な仕立屋が住んでいました。このムスタフには、おかみさんと、アラジンと呼ぶたった一人の息子とがありました。

この仕立屋は大へん心がけのよい人で、一生けんめいに働きました。けれども、悲しいことには、息子が大のなまけ者で、年が年じゅう、町へ行って、なまけ者の子供たちと遊びくらしていました。何か仕事をおぼえなければならない年頃になっても、そんなことはまっぴらだと言ってはねつけますので、ほんとうにこの子のことをどうしたらいいのか、両親もとほうにくれているありさまでした。

それでも、お父さんのムスタフは、せめて仕立屋にでもしようと思いました。それである日、アラジンを仕事場へつれて入って、仕立物を教えようとしましたが、アラジンは、ばかにして笑っているばかりでした。そして、お父さんのゆだんを見すまして、いち早くにげ出してしまいました。お父さんとお母さんは、すぐに追っかけて出たのですけれど、アラジンの走り方があんまり早いので、もうどこへ行ったのか、かいもく、姿は見えませんでした。

「ああ、わしには、このなまけ者をどうすることもできないのか。」

ムスタフは、なげきました。そして、まもなく、子供のことを心配のあまり、病気になって、死んでしまいました。こうなると、アラジンのお母さんは、少しばかりあった仕立物に使う道具を売りはらって、それから後は、糸をつむいでくらしを立てていました。

さて、ある日、アラジンが、いつものように、町のなまけ者と一しょに、めんこをして遊んでいました。ところがそこへ、いつのまにか背の高い、色の黒いおじいさんがやって来て、じっとアラジンを見つめていました。やがて、めんこが一しょうぶ終った時、そのおじいさんがアラジンに「おいで、おいで」をしました。そして、

「お前の名は何と言うのかね。」と、たずねました。この人は大へんしんせつそうなふうをしていましたが、ほんとうは、アフリカのまほう使でした。

「私の名はアラジンです。」

アラジンは、いったい、このおじいさんはだれだろうと思いながら、こう答えました。

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