TRENDIA CLASSIC
小説家たらんと
する青年に与う
菊池寛
1 / 4
僕は先ず、「二十五歳未満の者、小説を書くべからず」という規則を拵えたい。全く、十七、十八乃至二十歳で、小説を書いたって、しようがないと思う。
とにかく、小説を書くには、文章だとか、技巧だとか、そんなものよりも、ある程度に、生活を知るということと、ある程度に、人生に対する考え、いわゆる人生観というべきものを、きちんと持つということが必要である。
とにかく、どんなものでも、自分自身、独特の哲学といったものを持つことが必要だと思う。それが出来るまでは、小説を書いたって、ただの遊戯に過ぎないと思う。だから、二十歳前後の青年が、小説を持って来て、「見てくれ」というものがあっても、実際、挨拶のしようがないのだ。で、とにかく、人生というものに対しての自分自身の考えを持つようになれば、それが小説を書く準備としては第一であって、それより以上、注意することはない。小説を実際に書くなどということは、ずっと末の末だと思う。
実際、小説を書く練習ということには、人生というものに対して、これをどんな風に見るかということ、――つまり、人生を見る眼を、段々はっきりさせてゆく、それが一番大切なのである。
吾々が小説を書くにしても、頭の中で、材料を考えているのに三四ヵ月もかかり、いざ書くとなると二日三日で出来上ってしまうが、それと同じく、小説を書く修業も、色々なことを考えたり、或は世の中を見たりすることに七八年もかかって、いざ紙に向って書くのは、一番最後の半年か一年でいいと思う。
菊池寛の他の作品
TRENDIA CLASSIC
私の日常道徳
菊池寛
私の日常道徳
菊池寛 ・ 約3分
TRENDIA CLASSIC
TZSCHAL
LAPPOKO
菊池寛
TZSCHALLAPPOKO
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
芥川の印象
菊池寛
芥川の印象
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
仇討禁止令
菊池寛
仇討禁止令
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
青木の出京
菊池寛
青木の出京
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
仇討三態
菊池寛
仇討三態
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
アラビヤンナイ
ト
菊池寛
アラビヤンナイト
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
芥川の事ども
菊池寛
芥川の事ども
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
姉川合戦
菊池寛
姉川合戦
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
アラビヤンナイ
ト
菊池寛
アラビヤンナイト
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
厳島合戦
菊池寛
厳島合戦
菊池寛
TRENDIA CLASSIC
アラビヤンナイ
ト
菊池寛
アラビヤンナイト
菊池寛