黄いろのトマト
本文約7,800字 ・ 読了時間 約16分
あらすじ(AIが作成しました)
博物館にある蜂雀の剥製が、ある朝少年に話しかける。かつて黄金のように光るトマトを育て、二人だけで楽しく暮らしていた兄妹のペムペルとネリ。ある日、遠くから聞こえる不思議な音に惹かれて旅に出た二人は、目的地に入るための代償として黄金を求められる。苦労して持ち帰った黄いろのトマトを差し出すが、門番に拒絶され侮辱を受けた二人が、涙ながらに故郷へ帰るまでの悲しい物語を、蜂雀が回想し語る。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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博物局十六等官 キュステ誌
私の町の博物館の、大きなガラスの戸棚には、剥製ですが、四疋の蜂雀がいます。
生きてたときはミィミィとなき蝶のように花の蜜をたべるあの小さなかあいらしい蜂雀です。わたくしはその四疋の中でいちばん上の枝にとまって、羽を両方ひろげかけ、まっ青なそらにいまにもとび立ちそうなのを、ことにすきでした。それは眼が赤くてつるつるした緑青いろの胸をもち、そのりんと張った胸には波形のうつくしい紋もありました。
小さいときのことですが、ある朝早く、私は学校に行く前にこっそり一寸ガラスの前に立ちましたら、その蜂雀が、銀の針の様なほそいきれいな声で、にわかに私に言いました。
「お早う。ペムペルという子はほんとうにいい子だったのにかあいそうなことをした。」
その時窓にはまだ厚い茶いろのカーテンが引いてありましたので室の中はちょうどビール瓶のかけらをのぞいたようでした。ですから私も挨拶しました。
「お早う。蜂雀。ペムペルという人がどうしたっての。」
蜂雀がガラスの向うで又云いました。
「ええお早うよ。妹のネリという子もほんとうにかあいらしいいい子だったのにかあいそうだなあ。」
「どうしたていうの話しておくれ。」
すると蜂雀はちょっと口あいてわらうようにしてまた云いました。
「話してあげるからおまえは鞄を床におろしてその上にお座り。」
私は本の入ったかばんの上に座るのは一寸困りましたけれどもどうしてもそのお話を聞きたかったのでとうとうその通りしました。
すると蜂雀は話しました。
「ペムペルとネリは毎日お父さんやお母さんたちの働くそばで遊んでいたよ〔以下原稿一枚?なし〕
その時僕も
『さようなら。さようなら。』と云ってペムペルのうちのきれいな木や花の間からまっすぐにおうちにかえった。
それから勿論小麦も搗いた。