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TORENDIA

若人の要求

本文約2,500字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

職場に働く若い女性達が抱く学習への切実な希望と、民主的な社会を築くために必要な文化活動について論じる。封建的な制約の残る社会において、働く女性が労働組合などを通じて自分達の手で生活を向上させ、自らの意志で文化を創造しようとする動きを捉える。既存の商業的な婦人雑誌や教育のあり方を批判し、若い人々が真実を知り、社会の主体となって未来を切り拓いていくことの重要性と可能性を綴る。

宮本百合子

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🎧 若人の要求 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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此の間から、いろいろの職場で働いている若い人達の気持にふれる機会を持ちました。

一番痛切に感じた事は、今日働く婦人達がどんなに勉強したがっているかということでした。東京では麹町神田辺のいろいろの職場に働いている婦人達が集って学校を開きました。全体で七百人も申込があって、毎土曜日職場がひけた後で一時から夕方まで集って、歴史、生活科学、文化の話をききました。一ヵ月が終った時、これ等の人々は、これだけ勉強してみると、ますます知りたいことが多くなったのです。秋からでも今度は、経済、法律の話もきいて勉強したいという希望が出て来ました。この学校は働いている若い女性達が、全く自分で計画して、運営して、経済的にも充分次期計画を実行できるだけの余力を持って第一回を終りました。

各大学で自由大学や、市民大学を開いていて、新しい日本の文化を民主的な形で、市民の生活の中にもたらそうとしています。こういう所へいってみても、若い婦人の姿をかならず見受けます。

若い人々は、封建的な日本が民主的な日本に生れ変わろうとするならば、本当に民主的ということは、どういうことなのか、そういうことも知って自分達の明日を明るくしっかりと打開いてゆきたいという熱心な希望を持っています。本当にこれまで十何年かの間日本の私達は何と本当のことを知らされずに来たでしょう。自分達の愛する者の生命にかかわる戦争の真実の姿さえも知らず、国際裁判の記録ではじめて自分達の辿って来た運命を発見する始末です。ですから、働く婦人が、たった一人の実際の要求――例えば、同一労働に対する同一賃銀という誰にとっても切実な要求――を真から解決しようとすれば、結局社会における生産と婦人の歴史的な関係、将来の展望をしらなくては心もとないという心持になるのは、自然でしょう。そういう勉強をしたい若い女性達はこの頃、学校を開いたり、自分達の職場の中で、集会を組織したり音楽や演劇、文学の研究会や同好会をこしらえています。

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