気のいい火山弾
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あらすじ(AIが作成しました)
死火山のすそ野に座る黒い石のベゴは、周囲の石や草花からその形の悪さや臆病さをからかわれ、常に馬鹿にされ続けている。しかしベゴは怒ることなく、穏やかに過ごしていた。ある日、野原を訪れた四人の学者がベゴを非常に立派な火山弾の標本であると認め、驚嘆する。その後、ベゴは村人たちによって大切に包み込まれ、荷馬車に乗せられて東京へと運ばれていく。周囲の冷ややかな反応と対照的な学者の評価を通じ、石の数奇な運命を描く。
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ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、「ベゴ」といふあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座ってゐました。
「ベゴ」と云ふ名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。ほかに、立派な、本たうの名前もあったのでしたが、「ベゴ」石もそれを知りませんでした。
ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばしたやうな形でした。そして、ななめに二本の石の帯のやうなものが、からだを巻いてありました。非常に、たちがよくて、一ぺんも怒ったことがないのでした。
それですから、深い霧がこめて、空も山も向ふの野原もなんにも見えず退くつな日は、稜のある石どもは、みんな、ベゴ石をからかって遊びました。
「ベゴさん。今日は。おなかの痛いのは、なほったかい。」
「ありがたう。僕は、おなかが痛くなかったよ。」とベゴ石は、霧の中でしづかに云ひました。
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」稜のある石は、みんな一度に笑ひました。
「ベゴさん。こんちは。ゆふべは、ふくろふがお前さんに、たうがらしを持って来てやったかい。」
「いゝや。ふくろふは、昨夜、こっちへ来なかったやうだよ。」
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」稜のある石は、もう大笑ひです。
「ベゴさん。今日は。昨日の夕方、霧の中で、野馬がお前さんに小便をかけたらう。気の毒だったね。」
「ありがたう。おかげで、そんな目には、あはなかったよ。」
「アァハハハハ。アァハハハハハ。」みんな大笑ひです。
「ベゴさん。今日は。今度新らしい法律が出てね、まるいものや、まるいやうなものは、みんな卵のやうに、パチンと割ってしまふさうだよ。お前さんも早く逃げたらどうだい。」
「ありがたう。僕は、まんまる大将のお日さんと一しょに、パチンと割られるよ。」
「アァハハハハ。アァハハハハハ。どうも馬鹿で手がつけられない。」