去年の木
本文約790字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
いっぽんの木と小鳥は深い友情で結ばれていたが、冬の訪れに伴い別れることになる。翌春、再会を誓い戻った小鳥は、木が伐採され工場でマッチへと姿を変えた事実を知る。小鳥は行方を追い、村の少女のもとで木が形を変えた火を見つける。小鳥はランプに灯る火に去年の歌を聴かせ、友情の証を捧げる。失われた友との絆を巡る切ない再会と、姿を変えてもなお続く交流の物語を描く。
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いっぽんの木と、いちわの小鳥とはたいへんなかよしでした。小鳥はいちんちその木の枝で歌をうたい、木はいちんちじゅう小鳥の歌をきいていました。
けれど寒い冬がちかづいてきたので、小鳥は木からわかれてゆかねばなりませんでした。
「さよなら。また来年きて、歌をきかせてください。」
と木はいいました。
「え。それまで待っててね。」
と、小鳥はいって、南の方へとんでゆきました。
春がめぐってきました。野や森から、雪がきえていきました。
小鳥は、なかよしの去年の木のところへまたかえっていきました。
ところが、これはどうしたことでしょう。木はそこにありませんでした。根っこだけがのこっていました。
「ここに立ってた木は、どこへいったの。」
と小鳥は根っこにききました。
根っこは、
「きこりが斧でうちたおして、谷のほうへもっていっちゃったよ。」
といいました。
小鳥は谷のほうへとんでいきました。
谷の底には大きな工場があって、木をきる音が、びィんびィん、としていました。
小鳥は工場の門の上にとまって、
「門さん、わたしのなかよしの木は、どうなったか知りませんか。」
とききました。
門は、
「木なら、工場の中でこまかくきりきざまれて、マッチになってあっちの村へ売られていったよ。」
といいました。
小鳥は村のほうへとんでいきました。
ランプのそばに女の子がいました。
そこで小鳥は、
「もしもし、マッチをごぞんじありませんか。」
とききました。
すると女の子は、
「マッチはもえてしまいました。けれどマッチのともした火が、まだこのランプにともっています。」
といいました。
小鳥は、ランプの火をじっとみつめておりました。
それから、去年の歌をうたって火にきかせてやりました。火はゆらゆらとゆらめいて、こころからよろこんでいるようにみえました。
歌をうたってしまうと、小鳥はまたじっとランプの火をみていました。それから、どこかへとんでいってしまいました。
完