三つのばあい・未亡人はどう生きたらいいか
本文約2,300字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
三つの相談の手紙を通じ、未亡人が直面する複雑な人間関係や再婚への葛藤を綴る。姑の介護負担に縛られず自身の生活を再建すべきという助言や、亡き夫の面影と新しい恋の間で揺れる心理的成熟、戦後の混乱で生き別れた夫との関係整理を通じた自主的な生き方の追求など、女性が自己の感情と責任に向き合い、新しい生活を切り拓くための指針を論じる。
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一
このお手紙をよんで、わたしもほんとに「待つ」というのはどういうことなのだろうと、お手紙に書かれているとおりの疑問を感じました。
Hさんのお母さんの立場も、日本の女らしい哀れなものですが、そのかたの身内というものはないのでしょうか。そういう縁故があれば、A子さんが働いて義理のお姑さんの余生をすごさしてあげなくてもよいということにもなるのでしょうが――。
A子さんが働いてその方の世話を見なければ、とかかれていますが、この働くということばは、どういう内容で云われているのかわからないので、第三者としての判断が迷わされます。もしA子さんが自分の力で経済上の負担も果してそのおとしよりを見てあげようというのならば、その条件にたって、新しい結婚は全くA子さんとY氏との間の理解で解決することだと思われます。Y氏に、前の御良人の母の生活まで保証させることはできないにしろ、A子さんがその面での経済的負担を負うなら、事情は複雑ながら結婚できないことはないし、それについて、当然の義務を果さないH家の人々が一言も批判するよりどころはないと思います。
しかし、A子さん、A子さんの親、Y氏、それぞれが真面目にA子さんの新しい生活の立て直しについて考え、その実現をのぞむのなら、H家、A家、A子さん、Y氏みんなが集って、最も妥当な方法でH氏の母親の身の処置について協議すべきです。
嫁だから姑の世話をしなければならない、というだけで、全責任をA子さんにおわせるとすればH家の人々の態度は間違っています。旧い親子の義理がH家の人々と後ぞいの老婦人との間にないとして、嫁であるA子さんにだけその義理を強いるのは間違いです。
待たずに結婚するように打開されるべきです。
二
あなたが、お兄さんからすすめられた方に心よりも体でひかれてゆきそうであり、Eという前からよく知りあっていた従弟の方には親しすぎて良人にしようとおもえない、というところが、微妙な心理だとおもいます。