赤いくつ
本文約7,500字 ・ 読了時間 約16分
あらすじ(AIが作成しました)
貧しい少女カレンは、母の葬儀で手に入れた赤い靴を履き、裕福な奥様に引き取られる。堅信礼の際、王女のものと似た華やかな赤い靴に魅せられ、それを履いて教会へ行く。しかし、その靴はカレンの意志に反して踊り続ける呪いにかかっており、彼女は野原や森を彷徨い歩く。休息も許されず踊り続ける苦難の中で、カレンは過ちを悔い、奉公生活を送る。やがて敬虔な心を取り戻した彼女は、祈りの中で救済と安らぎを見出す。
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あるところに、ちいさい女の子がいました。その子はとてもきれいなかわいらしい子でしたけれども、貧乏だったので、夏のうちははだしであるかなければならず、冬はあつぼったい木のくつをはきました。ですから、その女の子のかわいらしい足の甲は、すっかり赤くなって、いかにもいじらしく見えました。
村のなかほどに、年よりのくつ屋のおかみさんが住んでいました。そのおかみさんはせっせと赤いらしゃの古切れをぬって、ちいさなくつを、一足こしらえてくれていました。このくつはずいぶんかっこうのわるいものでしたが、心のこもった品で、その女の子にやることになっていました。その女の子の名はカレンといいました。
カレンは、おっかさんのお葬式の日に、そのくつをもらって、はじめてそれをはいてみました。赤いくつは、たしかにおとむらいにはふさわしくないものでしたが、ほかに、くつといってなかったので、素足の上にそれをはいて、粗末な棺おけのうしろからついていきました。
そのとき、年とったかっぷくのいいお年よりの奥さまをのせた、古風な大馬車が、そこを通りかかりました。この奥さまは、むすめの様子をみると、かわいそうになって、
「よくめんどうをみてやりとうございます。どうか、この子を下さいませんか。」と、坊さんにこういってみました。
こんなことになったのも、赤いくつのおかげだと、カレンはおもいました。ところが、その奥さまは、これはひどいくつだといって、焼きすてさせてしまいました。そのかわりカレンは、小ざっぱりと、見ぐるしくない着物を着せられて、本を読んだり、物を縫ったりすることを教えられました。人びとは、カレンのことを、かわいらしい女の子だといいました。カレンの鏡は、
「あなたはかわいらしいどころではありません。ほんとうにお美しくっていらっしゃいます。」と、いいました。