本文へ移動
TORENDIA

小夜啼鳥

本文約12,800字 ・ 読了時間 約26分

あらすじ(AIが作成しました)

シナの皇帝は、御殿の庭に美しい声で鳴く小夜啼鳥がいると本で知る。宮中の誰もその存在を知らなかったが、台所の少女の案内で鳥は見つかり、皇帝の前で歌う。後に贈られた精巧な宝石の作り物鳥に地位を奪われ、本物の小夜啼鳥は森へ去る。やがて皇帝が死の淵に立たされた際、再び現れた小夜啼鳥の歌声が死神を退ける。回復した皇帝は鳥を宮廷に留めようとするが、鳥は自由を望み、時折訪れて真実を歌うことを約束して空へ飛び立つ。

ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 16

みなさん、よくごぞんじのように、シナでは、皇帝はシナ人で、またそのおそばづかえのひとたちも、シナ人です。

さて、このお話は、だいぶ昔のことなのですがそれだけに、たれもわすれてしまわないうち、きいておくねうちもあろうというものです。

ところで、そのシナの皇帝の御殿というのは、どこもかしこも、みごとな、せとものずくめでして、それこそ、世界一きらびやかなものでした。

なにしろ、とても大したお金をかけて、ぜいたくにできているかわり、こわれやすくて、うっかりさわると、あぶないので、よほどきをつけてそのそばをとおらなければなりません。御苑にはまた、およそめずらしい、かわり種の花ばかりさいていました。なかでもうつくしい花には、そばをとおるものが、いやでもそれにきのつくように、りりりといいねになるぎんのすずがつけてありました。ほんとうに、皇帝の御苑は、なにからなにまでじょうずにくふうがこらしてあって、それに、はてしなくひろいので、おかかえの庭作でも、いったいどこがさかいなのか、よくはわからないくらいでした。なんでもかまわずどこまでもあるいて行くと、りっぱな林にでました。そこはたかい木立があって、そのむこうに、ふかいみずうみをたたえていました。林をではずれるとすぐ水で、そこまで木のえだがのびているみぎわちかく、帆をかけたまま、大きなふねをこぎよせることもできました。

さて、この林のなかに、うつくしいこえでうたう、一羽のさよなきどりがすんでいましたが、そのなきごえがいかにもいいので、日びのいとなみにおわれているまずしい漁師ですらも、晩、網をあげにでていって、ふと、このことりのうたが耳にはいると、ついたちどまって、ききほれてしまいました。

「どうもたまらない。なんていいこえなんだ。」と、漁師はいいましたが、やがてしごとにかかると、それなり、さよなきどりのこともわすれていました。でもつぎの晩、さよなきどりのうたっているところへ、漁師がまた網にでてきました。そうして、またおなじことをいいました。

「どうもたまらない、なんていいこえなんだ。」

ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersenの他の作品

赤いくつ
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
幸福のうわおいぐつ
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
旅なかま
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
人魚のひいさま
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
野のはくちょう
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
雪の女王
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
もみの木
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
🎧
しっかり者のすずの兵隊
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen ・ 約12分
🎧
ひこうかばん
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen ・ 約23分

同じジャンルの朗読つきの本