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TORENDIA

立枯れ

本文約20,500字 ・ 読了時間 約42分

あらすじ(AIが作成しました)

中江桂一郎は、恋人キミ子の健康を案じ、友人である医師の診察を受けさせる。診察の結果、二人の肉体的な衰えや、関係の行き詰まりが明らかになる。中江は閉塞感に苛まれ、かつての友人島村陽一のもとを訪ねる。そこで島村の公然とした奔放な生活と自身の隠匿的な関係を対比させ、次第に現在の生活やあらゆるものから離別していくような感覚を抱く。本作は、慢性的な疲労と神経の衰弱に沈む男女の精神的断絶と、そこから逃れられない孤独な日常を描く。

豊島与志雄

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穏かな低気圧の時、怪しい鋭い見渡しがきいて、遠くのものまで鮮かに近々と見え、もしこれが真空のなかだったら……と、そんなことを思わせるのであるが、そうした低気圧的現象が吾々の精神のなかにも起って、或る瞬間、人事の特殊な面がいやになまなましく見えてくることがある。そういうことが、小泉の診察室の控室で、中江桂一郎に起った。

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