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TORENDIA

白井明先生に捧ぐる言葉

本文約650字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

自身の文章を俗受けを狙った媚態であると批判した白井明氏の識見を、文学の本質的な反語性を理解できない浅薄なものとして糾弾する。匿名による批判を退け、本名で自身の本音をさらけ出すことこそが、文学的進歩と本質への接近に不可欠であると説く論考。自らの著作に込めた祖国への愛情や情熱が誤読される現状を憂い、公の場で対峙する姿勢こそが真の批評と文学的態度であることを、相手への挑発を交えながら力強く綴る。

坂口安吾

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🎧 白井明先生に捧ぐる言葉 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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先ごろの本欄に僕の「風報」にかいた「天皇陛下に捧ぐる言葉」を評して俗うけを狙った媚態露出だとのことであるが、白井明先生の鑑賞眼は浅薄低俗と申さなければならない。

あの文章にこもる祖国へよせる僕の愛情や、あれを書かずにいられなかった情熱を読みとることができないとは、白井先生が頃日書く意味もない駄文ばかり書いてるせいなのである。

いったいに文学の反語性に味読の及ばぬ識見低俗なヤカラが文学を批評するというのが間違っている。僕の「堕落論」その他のエッセイにしても、小説にしても、その反語にこもる正しい意味を理解し得ずに、軽率な判読断定を下すから、読者に誤読のお手本を与えているようなものである。

本名では愚かしいソラゴトしか書けず、匿名でしか本音の吐けぬ文学者などというものはない。

僕には匿名の必要はない。いつでも本音を吐き、ギリギリのことを言ってるからだ。だから、また、ぼくの本音は文学の本質的なものであり、単なる中傷のケチくさい汚らしさはないのである。

白井明先生も、本名で本音を吐くことを学びたまえ。本名で、君のケチ、アサマシサ、をさらけだすことの苦痛に堪えて、その争いの嵐の中で自分を育てたまえ。さすれば、文学の本質にも、やがて近づきうるであろう。

「天皇陛下にさゝぐる言葉」にこもる大いなる愛情もやみがたい情熱も、君の目には逆の意味にうつるのも、きわめて当然なことである。しかし、こういう愚にもつかない批評でもそれが君の本音なら仕方がないから、せめて本名で書かれんことを。さすれば、進歩はありうるであろう。

完

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