青ひげ
本文約5,900字 ・ 読了時間 約12分
あらすじ(AIが作成しました)
青ひげをはやした男は、美しい娘を妻に迎える。ある日、男は旅に出る際に屋敷中の鍵を妻に預け、地下室の小部屋だけは決して開けてはならないと命じる。好奇心に勝てなかった妻は禁じられた部屋の扉を開け、そこにかつての妻たちの遺体があるのを目撃する。妻は扉の鍵についた血がどうしても落ちないことに恐怖し、帰宅した男から責められる。助けを求める妻の叫びを聞きつけた兄弟が駆けつけ、妻は危機を脱する。
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一
むかしむかし、町といなかに、大きなやしきをかまえて、金の盆と銀のお皿をもって、きれいなお飾りとぬいはくのある、いす、つくえと、それに、総金ぬりの馬車までももっている男がありました。こんなしあわせな身分でしたけれど、ただひとつ、運のわるいことは、おそろしい青ひげをはやしていることで、それはどこのおくさんでも、むすめさんでも、この男の顔を見て、あっといって、逃げ出さないものはありませんでした。
さて、この男のやしき近くに、身分のいい奥さんがあって、ふたり、美しいむすめさんをもっていました。この男は、このむすめさんのうちどちらでもいいから、ひとり、およめさんにもらいたいといって、たびたび、この奥さんをせめました。けれど、ふたりがふたりとも、むすめたちは、この男を、それはそれはきらっていて、逃げまわってばかりいました。なにしろ青ひげをはやした男なんか、考えただけでも、ぞっとするくらいですし、それに、胸のわるいほどいやなことには、この男は、まえからも、いく人か奥さまをもっていて、しかもそれがひとりのこらず、どこへどう行ってしまったか、ゆくえが分からなくなっていることでした。
そこで、青ひげは、これは、このむすめさん親子のごきげんをとって、じぶんがすきになるようにしむけることが、なによりちか道だと考えました。そこで、あるとき、親子と、そのほか近所で知りあいの若い人たちをおおぜい、いなかのやしきにまねいて、一週間あまりもとめて、ありったけのもてなしぶりをみせました。