本文へ移動
TORENDIA

役人学三則

本文約5,500字 ・ 読了時間 約11分

あらすじ(AIが作成しました)

役人として働くことになった若者に向け、著者が官界の現実を三つの条項で説く。まず、専門性を追うと出世を逃すため、広く浅い知識で人繰りに合わせる必要があると述べる。次に、法規を盾に理屈で相手をねじ伏せる技術の習得を説く。最後に、各官庁が縄張りの拡大と維持に固執し、組織間で激しい権限争いを行う実情を指摘する。出世を望むのであれば、これらの組織的弊害に適応すべきであると警告し、複雑な官僚社会の構図を描く。

末弘厳太郎

速度
🎧 役人学三則 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 9

××君 いよいよお役所勤めをされるようになったそうでまことに結構です。ご両親もさだめしお喜びのことと思います。ところでお手紙によると、役人として必要な心得をきかせろというご注文ですが、不幸にしていわゆる役人生活の経験をもたない私には、とうてい官海游泳術その他手近にお役に立つようなことを申し上げる資格がありませんから、ただ平素外部から役人諸君に接触して感じた事柄をまとめてご参考のためお耳に入れたいと思います。もちろん申し上げたいことは軽重いろいろあるのですが、便宜上次の三ヵ条にまとめた上、その後に注釈めいたことを書きます。いかにも大学の法律先生らしいな、と笑ってはいけません。

×      ×      ×

第一条 およそ役人たらんとする者は、万事につきなるべく広くかつ浅き理解を得ることに努むべく、狭隘なる特殊の事柄に特別の興味をいだきてこれに注意を集中するがごときことなきを要す。

末弘厳太郎の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本