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TORENDIA

文化政策展開の方向

本文約2,100字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

文化政策とは何かを定義し、教育や科学などの諸領域における翼賛会文化部の果たすべき役割と展開の方向を論じる。国家百年の礎となる新広域文化の創造という長期的視点と、高度国防国家体制への対応という当面の非常時局に対する課題を提示する。文化機構の再編成による割拠主義の打破や、国語や児童文化といった重要問題への対処、そして民衆心理を適確に把握し国民士気を昂揚させるための文化各領域の協力体制の確立について詳述する。

岸田國士

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文化政策といふ言葉は範囲のたいへん広い言葉である。あらゆる政策は殖民政策でも宗教政策でも、教育政策、科学政策、乃至は経済政策、生産力拡充政策でもそれが国民生活を向上せしめ、民族意慾を暢達せしめる文化的使命をもち、その目標に向つてゐるかぎりそれは文化政策であるといへるのである。

しかし、こゝで文化政策の展開とその方向として要求されてゐるのは、専ら一般に文化といふ言葉で指示されてゐる教育とか、宗教とか、科学とか、技術とか、医療設備とか、あるひは民衆娯楽だとかを意味し、それについて翼賛会の文化部がこれからどんな政策を樹てゝ、どんな活動をするかといふことを指してゐるのである。

この場合文化部のとるべき文化政策の内容がどんなものであり、どんな方向に向つて展開されなければならないかといふことを考へると、私は広狭二つの意味を区別して置くことが必要だと思ふ。広い意味のものは簡単にいへば国家百年の文化政策を樹立することである。

すなはち、我々の子孫の時代迄も考慮に入れて、日本民族が新東亜の指導民族であるといふ立場を深く自覚し、われわれの輝しい伝統を基底として高雅にして雄渾なる新広域文化を創造建設し、これを育成すべき政策を確立することである。このためには、先づいかなる他民族に対しても譲らざる矜持と襟度と、そして教養とをもつ大国民を育成することが第一の眼目でなければならぬ。

しかし、この国家百年の計を樹てることもとより重要な事業であるが、当面わが日本国家が直面してゐるこの非常時局を一億の国民が乗り切り、この難局をわが民族的飛躍の輝かしい契機とするためには、何を措いても先づ現行政治機構を速かに高度国防国家体制に推移せしめねばならぬ。それとともに、国民生活の文化的側面をもこの高度国防国家体制に即応させることが必要である。かくして文化政策当面の課題は次の三つの点に帰着する。

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