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TORENDIA

兄貴のような心持

本文約1,000字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

菊池寛といるときに感じる、実の兄貴のような安心感について綴る。作者は、菊池の広範な知識や人間性、そして他人の身になって深く物事を考えられる性質を挙げ、議論の際にも感じさせるその包容力を論じる。自分よりも自分のことを深く考えてくれる菊池という存在への信頼を明かし、さらに新思潮同人の中における菊池の良き父、良き夫としての側面にも触れ、彼の人柄に対する深い敬意と思慕を記している。

芥川龍之介

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🎧 兄貴のような心持 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、飽きるような事はなかろうと思う。(尤も菊池は飽きるかも知れないが、)それと云うのは、菊池と一しょにいると、何時も兄貴と一しょにいるような心もちがする。こっちの善い所は勿論了解してくれるし、よしんば悪い所を出しても同情してくれそうな心もちがする。又実際、過去の記憶に照して見ても、そうでなかった事は一度もない。唯、この弟たるべき自分が、時々向うの好意にもたれかゝって、あるまじき勝手な熱を吹く事もあるが、それさえ自分に云わせると、兄貴らしい気がすればこそである。

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