驢馬の びっこ
本文約990字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
張が一匹の驢馬を購入するが、その驢馬は歩くたびにびっこを引く。張は通りがかった物知りに相談し、頭の禿を寒がるからだと助言を受ける。張は助言に従って帽子を作ってかぶせるが、驢馬は歩くたびに相変わらずびっこを引く。その後も耳の穴あけや袋の装着を繰り返すが改善せず、張は悩む。ある日、通りがかった村人に帽子を取るよう教わり、ようやく張は驢馬の耳が聞こえることを確認し、喜びのあまり躍り上がる。
💰 この本を応援する(投げ銭)
張が かはいゝ 驢馬を 一匹 買ひました。ところが 歩かせて 見ると その 驢馬は びつこを ひくのです。
「なぜ びつこを ひくのだらう。」と 考へて 見ましたが わかりません。ちようど とほりかゝつた 物しりを よびとめて たづねて 見ると、物しりは、驢馬の 體を よく しらべてから いひました。
「耳と 耳の 間に 錢ほどの 禿が ある、この 禿に 風が あたつて 寒いから びつこを ひくのぢや。帽子を つくつて かむせたが、よからう。」
やつぱり 物しりだけ あつて、利口な ことを いふと 張は かんしんしながら、羊の 毛で 圓い 帽子を つくりました。それを 驢馬の 頭に かむせて、さて 歩かせて 見ると やつぱり びつこを ひきます。張は 物しりに だまされたと 思つて、まつかに なつて 驢馬を ひつぱつて ゆきました。
「人を だますにも ほどが ある。お前さんの いふとほり 帽子を かむせたが やつぱり びつこを ひくでは ないか。」すると 物しりは おちついて、
「いや こんな 帽子では いかん、驢馬の 耳を おしこむので 耳が いたいのぢや。」と いふのでした。なるほどと 思つた 張は、家に かへつて 帽子に 二つの 穴を あけ、そこから 二つの 耳を 出して やりました。ところが 歩かせて 見れば やつぱり びつこを ひきます。又 おこつて 物しりの ところへ がなりこんで ゆくと、
「いや あれでは、耳が 寒いから いけない。」と いひます。なるほど さうだつたと 思つて、こんどは、二つの 耳に 長い 袋を かむせました。けれど びつこを ひくのは 前と 同じ ことです。いよいよ 物しりめ、わしを だましたなと 思つて、げんこつを ふりあげながら とびこんで ゆくと、物しりは、
「まちなさい、お前さん とんまだね、あれぢや 耳が 聞えないぢや ないか。」と いひます。たしかに さうだ、と、張は 家に かへりましたが、こんどは どう して いゝのか さつぱり わかりません。袋に 穴を あければ 風が はいつて 寒いでせうし――。