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TORENDIA

賤事業弁

本文約1,600字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

自著の「人生相渉論」に対する「事業を賤しむ」との批判を受け、文学を論ずる際の標率として「事業」を用いることの是非を問う論考。文学を俗界の神たる事業に嫁せしむべきではないという自身の真意を説き、事業を物差しとして文人を評価する手法の誤りと、その不合理性を論理的に解説する。文学本来の価値と人物の事業を切り分けて考える必要性を説き、文学批評における適切な視座のあり方を主張する。

北村透谷

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🎧 賤事業弁 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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事業を賤しむといふ事は「文学界」が受けたる攻撃の一なり。而して此攻撃たるや、恐らく余が「人生相渉論」を誤読したるより起りたる者なるべしと思へば、爰に一言するの止むべからざるを信ずるなり。

余は先づ「事業」とは如何なる者なりやを問はざるべからず。次に文学は「事業」といふ標率を以て論ずべき者なりや否やを、問はざる可からず。

余は文学といふ女神は、寧ろ老嬢として終るも、俗界の神なる「事業」に嫁することを否むべしと言ひたり。その斯く言ひたるは、「事業」を以て文学を論ずる標率とするを難じたるものにして、事業其れ自身に就きて何とも云はざりしなり。然るに横鎗の人々は己れの事業を侵されしかの如く、頻りに此事に向つて鋒先を揃へて攻戦するは豈奇怪ならずや。

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