二つの頭
本文約1,000字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
鶴のスケッチを見て自分も何でも描けると空想する雄二は、翌日の算数の宿題を前に、兄と自分の頭を入れ替えたいという奇妙な願望を抱く。その夜、雄二は兄の頭を使って試験問題をすらすらと解く夢を見る。夢から覚めると、兄の頭と自分の頭が入れ替わっているという状況に驚き、兄にとびかかろうとして、隣で眠る兄の頭に実際にぶつかってしまう一人の少年の心理と、その夢の顛末を描く。
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日曜日のことでした、雄二の兄と兄の友達が鶴小屋の前で、鶴をスケッチしていました、雄二はそれを側で眺めながら、ひとりでこんなことを考えました……何んだい、僕だって描けますよ、鶴だって、犬だって、山の絵だって、駅だって、街の絵だって、みんな描けます、僕の眼にちゃんと見えるものなら、それをそのとおり描けばいいんだから、だからなんだって描けますよ、眼に見えないものだって、美しい美しい天国の絵だって、それもそのうち描けますよ
雄二はだんだん素晴らしい気持になっていましたが、ふと何だか心配になりました、ほんとかしら、ほんとに僕は描けるのかしら……ふと、雄二はまだ明日の宿題をやっていないのを思い出しました、急いで家に戻って、机の前にすわりました、めんどくさい計算なので、雄二はすぐにいやになってしまいました、鉛筆をけずりながら、また雄二はひとりで、こんなことを考えました……いやになっちゃうな、こんな宿題なんか、僕の頭と兄さんの頭ととりかえっこすれば、すぐ出来るのに、首から上だけ、そっと、とりかえできないかなあ
それでも、雄二はしぶりしぶりその夜、宿題をしあげました、その夜、雄二はこんな夢をみました、算数の試験でした、雄二は教室の机について、紙と鉛筆をもっています、試験の問題が不思議にすらすらとけてゆきます、雄二は頭のところが自分の頭ではなくて、兄の頭になっているのが、ちゃんと分ります、でもそれは他人にはまるでわからないのです、雄二はいい気になって早速、全部の問題を解いてしまいます
「雄二君、素敵だなあ、この問題が全部できた人はこのクラスには君しかいなかったよ」
先生からかえしてもらった答案をもって、雄二は家にもどります、雄二はその成績をお母さんに見てもらおうと思います、でも、もし兄がほんとのことを知っていたら「何だい、僕の頭借りたくせに」と兄はおこるかもしれません、そこで雄二は成績をそっとかくすようにして、部屋の入口から中をのぞいてみました