TRENDIA CLASSIC

大政翼賛会と文化問題

岸田國士

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翼賛会の文化部としては、現在まで政府が実行して来た文化政策といふものゝ全体に亘つて、一応どういふことが今日までなされて来てをり、またそれがどういふ結果を生んでゐるか、更にまた政府がどういふ方向に導いてくれゝば、一層国民全体の間に文化が向上するか、さういふやうな問題に就て研究をしてをります。

この文化政策といふ言葉は、今日まで実際政治の現実面では余り使はれてゐなかつた言葉でありますが、今度近衛さんが総理大臣になられた際に於る声明及び翼賛会の総裁としての声明のなかに、まつたく珍しくこの言葉が使はれてをります。つまり経済政策と並んで文化政策といふことが云はれてゐるのでありますが、これは、日本の現代文化、更に将来の新しい文化といふことを考へて、所謂政治の上に全面的に文化政策といふものが取上げられた、恐らく最初のものではないかと思ひます。勿論政府各省ではそれぞれ文化部門に入るべきいろいろな行政的なことはやつてゐるわけですが、現在の政府の機構から云つて、かういふ文化政策を綜合的に取上げるといふ点に於ても、またその企画の実施運用に於ても、まだ十分でないと思はれるやうな点がありますので、大政翼賛会の文化部としてはこの点に大いに力を入れる必要があると思ふのであります。

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