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TORENDIA

希望

本文約510字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

著者自身の不勉強を省みつつ、文学がすべてという従来の考え方から脱却し、行動主義という新たな視点に触れようとする心情を綴る。親交のある舟橋聖一らから受ける刺激を通じ、雑誌を通じてその理解を深めようと試みる。文学活動への参加を通じ、他者からの教えを請いながら自身の生活や創作のあり方を見つめ直す姿勢を示す。

岸田國士

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🎧 希望 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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私は不勉強で行動主義の何であるかといふことを今日まで余り注意しないでボンヤリしてゐた。唯行動主義といふ言葉で自分勝手の概念を作つてゐたやうなわけで、非常に誤つた考へ方をしてゐたかも知れない。がかりにその言葉だけから考へても、私にとつて全く魅力のない言葉ではなかつた。といふのは、長い間ものを書いて衣食としてゐながら、今日の自分の生活に充されないものが多いことを感じてゐる。今日まで、文学がすべてである。文学が生命であると、さういふ考へ方に溺れてゐたことが非常に不覚であつたといふ考へ方に傾いてきた。その矢先であるからあの行動主義といふものが、少くとも私にはやゝ身ぶりの大げさな言葉のやうには考へられたけれども、しかしその基調の中には何か教へられるところがあらうと思つてゐた。舟橋君とは種々の関係から親しいのだが、逢ふ度毎にいろ/\話を聞いて啓発されてゐる。今後は雑誌が出来て一層その問題にたいする理解を深められることと思ふ。従つてその文学行動に対して、何か自分に役割が果せるならば、参加したいと思ふ。私の希望としては、こちらから注文をつけるといふのでなく、むしろその雑誌の続刊に依つて自分が教へられることを望んでゐる次第である。

完

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