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TORENDIA

新築地に与へて

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

満身瘡痍と評されながらも十年の生命を保ち続けた新築地劇団の底力を、過去の組織的訓練と純粋な演劇愛の結合に見出し、その将来の実りを祈る岸田國士の一文。

岸田國士

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🎧 新築地に与へて / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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およそひとつの新劇団の歴史といふものは、常に苦闘の連続なのであるが、現在、創立十周年を迎へるといふ新築地劇団の如きは、あらゆる意味に於て満身瘡痍といふ感じを与へ、今日までその生命を持ちつゞけたことは寧ろ奇蹟であると云つていゝ。しかし、それでゐて、単に余命を保つかたちでなく、立派にその団結の中心を芸術的な目標において、時に衆目をそばたゝしめるやうな業績を示し得る力はいつたい何処にあるのだらうと、私は常に興味をもつてその活動を眺めてゐるものである。恐らく、過去の組織的訓練と、純粋な演劇愛との結合が恵まれた人的要素のうへに加はつて、一種不動の基礎を作つてゐるからに違ひない。

将来、新劇の耕すべき畑はいろいろあるであらう。わが新築地の畑にも、豊饒なみのりがあるやうに、私は私の立場で切に祈るものである。

完

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