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TORENDIA

村で一番の栗の木(五場)

本文約21,400字 ・ 読了時間 約43分

あらすじ(AIが作成しました)

山間の小駅に降り立った亮太郎とあや子の夫婦は、帰省の道中に滞在する。夫の生家で繰り広げられる田舎特有の人間関係や生活に違和感を抱き、都会へ戻ることを切望するあや子。二人は村で一番の栗の木がある屋敷での生活を通じて、互いの家族への感情や夫婦のあり方と向き合う。やがて季節は秋へと移ろい、二人は再び停車場で旅立ちの時を迎え、改めて寄り添うことを確かめ合いながら、この地を去る決意をする。

岸田國士

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亮太郎

あや子

その他無言の人物数人

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第一場

山間の小駅――待合室

真夏の払暁。

発車の直後といふ気配。

二三の旅客に交つて、都会のものらしい夫婦連れが、改札口の方から現れる。一隅を選んでそこに手荷物を置き、汗を拭ひ、左右を顧み、やがて、女が先に、男がそれに続いて腰を下ろす。

他の旅客は、待合室を通り過ぎるだけである。

男は出来合ひらしい白の洋服、女は現代風のかなり整つた身じまひ。――手荷物は、服装の割に野暮な信玄袋と行李鞄、それに、中型のシューツケース。

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