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TORENDIA

温室の前

本文約19,400字 ・ 読了時間 約39分

あらすじ(AIが作成しました)

東京近郊で兄妹二人の静かな暮らしを送る大里貢と牧子。ある日、かつての知人である高尾より江が訪ねてくる。互いの現在の境遇や身の上話を交わす中で、独身で働きながら生きる女たちの姿や、周囲との交際を避けてきた兄妹の閉鎖的な生活が浮かび上がる。何かが起こりそうな夜の気配を感じながら、貢は静かに待つことしかできない閉塞した状況を、姉妹の対話と静寂のなかに描く。

岸田國士

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大里貢

同 牧子

高尾より江

西原敏夫

東京近郊である。

一月中旬の午後五時――

[#改ページ]

第一場

大里貢の家の応接間――石油ストーブ――くすんだ色の壁紙――線の硬い家具――正面の広い硝子戸を透して、温室、グリーン・ハウス、フレム及び花壇の一部が見える。

硝子戸に近く、高尾より江――二十五六歳に見える――が、ぢつと外を眺めてゐる。さつぱりした洋装。

――間――

大里牧子――二十八九歳ぐらゐの目立たない女――小走りに現れる。

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