たまごとおつきさま
本文約610字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
野原の一軒家に住む一羽の鶏は、月明かりの下で産んだ卵が光り輝く姿に魅了される。しかし、卵は次第に姿を消し、驚いた鶏は月に卵を返してほしいと懇願する。すると、月は卵の姿へと変化し、鶏はそれを大切に抱えようとする。卵と月が入れ替わるような不思議な現象に翻弄されながら、翌朝も空に昇る月を見つめる鶏の戸惑いと、その卵の正体を巡る物語を描く。
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むかし、のはらの一けんやに、にはとりが一羽すんでゐました。そののはらのむかふには、ひくい、きれいな山が三つならんで立つてゐました。
ある、月のいゝばんのこと、そのにはとりが、玉子を一つうみました。そのたまごに、丁度のぼつてきた月が、光りをさしかけましたので、たまごは、それは美くしくて、しんじゆのたまのやうに見えました。
にはとりはうれしくてたまらないので、玉子ばかり見てゐました。けれども、そのうちに、玉子は、だん/\消えていつて、かげばかりになり、おしまひには、そのかげさへも見えなくなつてしまひました。
ぼんやり、それを見てゐたにはとりは、たいへんびつくりして、おつきさまのところへかけて行つて、
「おつきさま、どうぞ、わたしのたまごを、かへしてください。」とたのみました。
すると、こんどは、きふに、おつきさまがわらひながら、だん/\しぼんで、たまごになつてしまひました。
にはとりは、たいへんよろこんで、
「ほんとですか、おつきさま、これがわたしのたまごですか。」といつて、それを羽の下に入れようとしますと、それが、見る間に大きくふくれて、三つならんだやまのむかふから、おつきさまになつてのぼつてきました。
あくるあさ、にはとりが目をさまして、のはらにいつてみますと、まへのばんのおつきさまが、しろくすきとほつて、空にのぼつてゐました。そこで、にはとりはおほきいこゑでなきました。
「それは、たまごか? おつきさまか? コケツ、コケツ。」
完