はちとくま
本文約580字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
森から日当たりのいい野原へ出た一匹の子熊は、丸太に腰かけて大切に持ってきた蜜をなめる。そこへ一匹の蜜蜂が飛来し、自分たちが苦労して集めた蜜を勝手に食べられることへの怒りをぶつける。子熊は申し訳ない気持ちになり、蜜蜂を花が咲き乱れる誰も知らない谷間へと連れて行くことを提案し、二者はそこへ向かう。
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一匹の子熊が、森のなかから、のこ/\と日あたりのいい、のはらに出てきて、倒れてゐた丸太の上にこしをおろして、うれしさうにフフンとわらひました。
子熊はふところから、はちみつを入れたつぼをとりだして、ゆびでしやくつて、ちび/\なめはじめました。
「いつたべても、うまいのははちみつだ。はちみつにかぎる。あまくつて、おいしくつて。」とひとりごとを言ひながら、せつせとなめてをりました。
すると、そこへ、一匹のみつばちが、ブーンととんで来て、子熊の帽子のまはりを、ぐるぐるまひながら、言ひました。
「子熊さん。僕は、ほんとに、はらが立つてたまらないよ。」
「何がはらがたつんだ。僕はなんにも、君にわるいことなんかしたおぼえはないよ。」と、子熊は、やつぱり、みつをたべながらこたへました。すると、みつばちは、
「だつて、君、かんがへてみたまへ。君は、僕たちが、長い間、くらうをしてためたみつを、それこそ、べろ/\と、見てゐるうちになめちまうんだもの。これくらゐ、はらのたつことはないよ。」と、羽をふるはせて言ひました。
子熊は、かう言はれて見ると、何だかはちに、気の毒なやうな気持になりました。そこで、
「はちくん。そんなにおこらないでくれ。そのかはりに、僕は、君をいゝところへつれてつてあげよう。」といつて、子熊ははちを、花の一杯さいてゐる、誰も知らない、谷間へつれて行つてやりました。
完