お鼻をかじられたお猫さん
本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
きむづかしやで年中怒っているお猫さんが、昼寝中にネズミに鼻をかじられる。虎に襲われたと勘違いしたお猫さんは大騒ぎして近所の人々を呼びつけるが、虎はどこにもいない。騒動はネズミの子供が原因だと判明し、街中から笑いものにされたお猫さんは、自分のシカメツ面が新聞に載った姿を見て大笑いする。それをきっかけに怒ることを忘れ、穏やかな性格へと変化していくお猫さんの姿を描く。
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あるところに、お猫さんがありました。誰もつきあつてくれません。このお猫さんは、大へんきむづかしやで、年中おこつてばかりゐるからです。
或日、椅子に腰かけて新聞をよんでゐましたが、眠くなつて寝こんでしまひました。
そこへ、この間生れたばかりで、もうチヨコ/\走りまはつてゐるネズミさんがやつてきました。お猫さんがきむづかしやだなんてことは、まだ知りません。お猫さんの椅子にはひあがつて、お猫さんのお鼻を一かじりかじりました。そこには、あまいおいしいゼリーのかけらがくつついてゐたからです。
× ×
その時、お猫さんは、いやといふ程、お鼻をかじられた夢を見ました。よく見ると、近所の動物園の檻の中にゐる虎さんが、爪をとんがらかして、お鼻の先にくひついてゐました。お猫さんは、びつくりして目がさめました。お猫さんは腰をぬかして「わあ、虎にかまれた。虎だ、虎だ、助けてくれ――」と、大きな声を出しました。
近所のお猫さんや、うさぎさん、犬さん、あひるさん、羊さん、牛さんたちは、腹が立つてはゐましたが、虎さんにかみころされては、あんまりかあいさうだと思つて、ピストルや、てつぱうをさげて、とんできました。消防自動車は火事かと思つて、ピユーピユー四方から走つてきました。
ところが、虎さんなどはどこにもをりません。ベツトの下や、敷物までハガシて見ましたが、足跡もありません。みんなとてもおこりました。そしてお猫さんの家中を泥足でふんづけて帰つて行きました。
× ×
ところが、お猫さんの家のお隣りはネズミさんのお家です。ネズミさんの赤ちやんは、お猫さんのお家の大さわぎが、自分のせいだといふことは知りません。夕方になつて、ノコ/\お家へ帰つて来て、お母さんにいひました。
「僕、さつき、お猫さんのおぢさんの鼻の先をかじつたの。だつて、先ツチヨに、ゼリーがついてたんだもの。あんなゼリー、うちでもこさへてね」
ネズミさんのお母さんはびつくりいたしました。けれども、おしまひにはおかしくなつて、家にぢつとしてゐられません。早速近所の家へこのことをおしやべりしてあるきました。