ある所に、三匹の小熊さんがお母さんと一緒に住んでをりました。
朝になると、目覚し時計が、三匹の小熊さんを起します。
三匹の小熊さんは、それから朝の御飯を頂きますが、今朝からは、牛乳を飲まなければなりません。何故といつて、牛乳は三匹の小熊さんの身体のためには一番いいものですから。
けれども、困つたことに、三匹の小熊さんは、牛乳といふものは、にほひをかぐのもきらひです。そして、どうしても飲みません。それを見てゐたのが、戸棚の中の角砂糖さんです。箱の中から首を出しました。小熊さんたちは、牛乳は大きらひですが、角砂糖さんは大好きですから、今迄のシカメツ面はどつかへ飛んでしまつて、急に、ニコニコ致しました。
お母さんは、それを見て、牛乳をおなべにうつして、その中へ、角砂糖さんを入れやうと致しますと、気のきいてゐる角砂糖さんたちは、水泳の選手のやうに、見事なダイヴイングをして、牛乳の中にはいつてしまひました。それで、やつと三匹の小熊さんは甘い牛乳をのみました。
さて、三匹の小熊さんには一人のお友達があります。あひるさんです。あひるさんはお父さんと一緒に住んでゐました。
あひるさんがベツドの中で寝てゐますと、あひるさんの大好物のどじようさんが、部屋の中にはいつて参りました。あひるさんは、ベツドからとび起きてどじようさんを追ひかけました。どじようさんは戸棚の中へ逃げこみました。あひるさんは、それを追ひかけて、戸棚の中へはいつてしまひました。
あひるさんのお父さんは、あひるさんが仲々起きて来ませんので、お部屋へ起しに参りました。すると、あひるさんの姿が見えません。あひるさんのお父さんは心配のあまり、あひるさんのお友達の三匹の小熊さんに電話を掛けて、あひるさんを探し出してくれるやうに頼みました。
三匹の小熊さんは、友達を探しに出掛けることになりました。お母さんは汽車賃に十銭玉を下さいました。