川の中へおつこちたお猫さん
本文約1,000字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
家の中にいるのが嫌いなお猫さんは、寒い日にお母さんの忠告を無視して外へ飛び出し、あひるさんの家を訪ねる。あひるさんが学校から帰るのを待つ間、厳しい寒風にさらされ、帽子や上衣を川へ吹き飛ばされながらも、頑固にその場を離れようとしない。やがて嵐のような風に煽られ、川の中へ落ちてしまう。水泳が得意なため自力で岸へ上がるが、濡れた体で大きなくしゃみを繰り返し、母に迎えられて帰宅する。
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あるところにお猫さんがありました。どういふわけだか、生れつきお家にゐるのがきらひで、いつでもぶらりぶらりと、あるきまはつてゐました。
ある日、お母さんがおつしやいました。
「お猫さんや、今日は少し寒いから、お家にじつとしていらつしやい。」
けれども、お猫さんは、お母さんの姿が見えなくなると、すぐさまお家をとび出して、三町ほどむかふの川のふちのあひるさんのところへ行きました。
あひるさんのお母さんはおつしやいました。
「お猫さん、折角ですが、あひるさんはまだ学校から帰つて来ません。」
お猫さんはがつかりしましたが、お家に帰るよりこゝで待つてゐた方がましだと思つて、
「をばさん、外で待つてゐます。」と言ひました。
一時間待ちました。
あひるさんは帰つて来ません。寒い風が吹いて来て、お猫さんの帽子を川の中へふきとばしました。お猫さんは、一丁四方にもひゞきわたる程大きく
「ハクシヨン」とくしやみをしました。
あひるさんのお母さんはおつしやいました。
「お猫さん、今日は寒いから、もうお家へお帰りなさい。」
それでもお猫さんは「僕、ちつとも寒くないや。」といつて、動きません。
お猫さんはそこで、又一時間待ちました。けれどもあひるさんは帰つて来ません。
又、寒い風が吹いて来て、お猫さんの上衣を、川の中へふきとばしました。お猫さんは二町四方位にひゞきわたる程、大きく「ハクシヨン、ハクシヨン。」と、くしやみをしました。
あひるさんのお母さんはおつしやいました。
「さあ、もう、お家へお帰りなさい。風邪をひきますから。」
お猫さんはシヤツ一枚でガタガタふるえながら、
「大丈夫です。おばさん。」といつて、動きません。そしてもう一時間待ちました。
夕方になつて、嵐のやうに大きな風が吹いて来ました。そしてお猫さんはコロコロと川の中へおつこちてしまひました。