本文へ移動
TORENDIA

けが を した おほかぜくん

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

ご機嫌なおほかぜくんは、いたずらをしようと野原で子供の帽子を吹き飛ばし、山麓の小さな羊の子も吹き飛ばして面白がります。さらに力任せに町へ向かい、吹き飛ばそうと立ちはだかる大きな石の塀に真っ向から突進します。しかし、何一つ動じない石の塀に激突し、身体中に傷を負ったおほかぜくんは、いたずらをやめる決意をします。翌朝、おほかぜくんは穏やかな春風くんへと姿を変え、静かな海の上を吹き抜けていく様子を描く物語。

村山籌子

速度
🎧 けが を した おほかぜくん / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 2

けふは おほかぜくんは たいへん いいごきげんでした。

「ヒユウ ヒユウ ヒユウ」

これが おほかぜくんの うたです。

「ヒユウ ヒユウ ヒユウ。なにかいたづらを してやらう。」

おほかぜくんは とんでいつて、こどもの ぼうしを ふきとばした。

ピユウツ、コロ、コロ、コロ、コロ と ぼうしは とんでゆきました。

「ぼくのぼうしが とばされた。だれかつかまえて。」とこどもは おほごゑで いひましたが、のはらのまんなかで、だれもゐません。

「おもしろい、おもしろい。ヒユウ ヒユウ ヒユウ。」

おほかぜくんは のはらをこえ、たんぼをこえて、やまのはうに ふいてゆきました。

すると やまのふもとに ちいさな ちいさな ひつじのこが、くさをたべてゐました。

「やあ ちいさいやつだな。一つふきとばしてやれ。ヒユウ ヒユウ ヒユウ。」

ひつじのこは ピユウツ、コロ、コロ、コロ、とふきとばされて、おほかぜくんが とほりすぎてしまふまで、どうしても おきあがることが できませんでした。

「おもしろい、おもしろい、ヒユウ ヒユウ ヒユウ。」

おほかぜくんは やまをこえて、まちのはうへ ふいてゆきました。

「おもしろい、おもしろい。ぼくが ヒユウ と ふけば、なんでもかんでも ふきとばされてしまふ。まちでも なんでも、すぐふきとばしてしまふぞ。ヒユウ ヒユウ ヒユウ。」

まちのいりぐちに、おほきな いしのへいが たつてゐました。

「ヒユウ ヒユウ ヒユウ。おやおや、これは すこし つよさうだぞ。だが ぼくが ふけば すぐふきとばされて しまふさ。それ、ゆけ。ヒユウ ヒユウ ヒユウ。」

おほかぜくんは うん と ちからをいれて ふきました。だが、いしのへい は びくともしません。

「ヒユウ ヒユウ ヒユウ。こいつは なまいきなやつだ。よし、こんどこそ ふきとばしてくれるぞ。」

おほかぜくんは うまれてから まだ だしたことのないやうな、ちからを だして、ふきました。

だが どうしたことでせう。

いしのへいは びくともしません。どこをかぜがふくか といふかほをして へいきでたつてゐます。

おほかぜくんは すつかり はらをたてました。

村山籌子の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本