にらめつくらの鬼瓦
本文約5,400字 ・ 読了時間 約11分
あらすじ(AIが作成しました)
東山で瓦屋を営むごん七と西山で営むごん八は、互いの技術を張り合い、過酷な競争を繰り広げている。その息子である今雄と京一は、学校では競争しつつも仲良く交流する。父たちが屋根に巨大な鬼瓦を掲げ、競って金箔や電飾、花火で飾る中、子供たちは旗信号で密かに協力し合う。やがて地震で鬼瓦が壊れたことを機に二人は競争を止め、今雄と京一の旗の連携により、両家は瓦の注文を融通し合う協力関係へと変化していく。
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今雄さんは、五年級甲組の一番でした。
京一さんは、五年級乙組の一番でした。
今雄さんのお父さまは、ごん七さんといふ名で、東山の中ほどに、大きな家を建てて、瓦屋をしてゐました。
京一さんのお父さまは、ごん八さんといふ名で、西山の中ほどに、りつぱな家を建てて、瓦屋をしてゐました。
東山の瓦屋と、西山の瓦屋とは、いつも競争をして、おたがひに、自分のうちで焼いた瓦の、自慢を言ひ合つてゐました。
東山へ、瓦を買ひに行きますと、ごん七さんは、じまんらしく、
「私どもの瓦は、西山さんのやうに、寒さにめげて、こはれるやうな、そんな不出来な品ではありません。」と、言つて、こつこつと、石ころで、瓦をたたいて見せます。
西山へ、瓦を買ひに行きますと、ごん八さんは、とくいになつて、
「手前どもの瓦は、東山さんのやうに、そまつなものでは、ありませんから、この通り、投げつけたつて、こはれるやうな事はありません。」と、言つて、瓦を庭に投げつけて見せます。
両方の瓦屋で、毎日そんな事を言つてゐるうちに、
「たたいても、こはれない瓦。」
「投げても、こはれない瓦。」
と、いふ評判が高まつて、遠くの村や町から、東山へも、西山へも、毎日大ぜいの人が、瓦を買ひに来るやうになりました。で、二人は、もう仲よくすれば善いのに、東山のごん七さんは、いぢわるでしたから、何とかして、西山のごん八さんを、たたきおとして、自分の店だけを、はんじやうさせたいと思つてゐました。西山のごん八さんも、きかぬ気の人でしたから、東山から、いぢわるを、しかけられると、だまつては、ゐませんでした。
その年の秋、村の小学校に、秋の運動会がありました。学校中で、一番よく走るのは、今雄さんと京一さんでした。今年の二百めえとる競走で、一番を取るのは、今雄さんだらうか、京一さんだらうかといふことが、村中の評判になりました。