ばべるの塔
本文約2,000字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
五六千年前、正直に働く人々が暮らす大きな町に、二人の男が訪れる。彼らは天まで届く高い塔を建て、天にいるお天道様を追い出して楽に暮らそうと人々に持ちかける。町の人々は塔の建設を始め、十五年かけて百五十階まで積み上げる。しかし、上階への伝言が階を重ねるごとに聞き違えられ、町中で大騒動が巻き起こる。天を目指すという無謀な計画は次第に破綻し、町の人々は再び元の生活に戻ろうとするが、町は荒れ果て、かつての原へと姿を変えていく。
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まだ、電話も電信も、なんにもない、五六千年も、まへのおはなしです。
ひろいひろい、のはらを、みつけた男がありました。あまり、けしきがよいので、そのまんなかに、一けんの家を、たてました。すると、いつのまにか、われもわれもと、そこへ、何十万の人が、あつまつて来て、五六年めには、たいへん大きな、町になつて、しまひました。
ところが、ここへ、あつまつてきた、人たちは、男も女も、みんな、正直ものばかりで、まいにち、よくはたらいて、
「おい、正直にしろよ。かげで、なまけちや、いけねえぞ。おてんたうさまが、見てゐらつしやるから。」と、いつてゐました。だから、この町の人たちは、だれ一人、うそをつくものもなく、それはそれは、かんしんに、仲よく、はたらいてゐました。
ある年の春、この町へ、二人の、りつぱな、みなりをした、男がきました。そして、この二人は、町の役所に行つて、こんなことを、まうしました。
「私どもは、世界で一ばんえらい、かしこい男です。私どもは、れんぐわと、せめんとを、つくることを、しつてゐます。この町の人は、おてんたうさまを、おそろしがつて、正直に、よくはたらくさうですが、私どもの、はつめいした、れんぐわと、せめんとで、天へとどく、高い高い、塔をたてて、そこから、天へのぼつて、天にゐる、おてんたうさまを、おひ出してしまつては、いかがでございますか。さうすると、すこしは、うそもいへるし、なまけてもいいし、わるいことをしても、おてんたうさまに、しかられる、しんぱいは、ないのですから。」
これをきいた市長さんは、すぐ町の人たちに、このことを、さうだんしますと、みんなが、たいへん、よろこんで、
「それはよい人がきてくれた。では、さつそく、そのたかい塔を、たてることに、してもらはう。そして、おてんたうさまを、天から、おひ出して、気らくに、くらさうではないか。」と、いひました。
市長さまはじめ、みんなが、なまけてみたいものですから、町の人たちは、みんな、あつまつてきて、その高い塔を、たてはじめました。