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TORENDIA

秋の筑波山

本文約4,400字 ・ 読了時間 約9分

あらすじ(AIが作成しました)

筑波登山と歴史的遺跡の探訪を綴る。著者一家の筑波山への道中と登山体験を描くとともに、かつて筑波山麓で激動の歴史を生きた北畠親房や関宗祐父子、そして関東の一不思議と称された英雄・太田三楽の戦いと不運な生涯に触れる。古跡の現状を記しつつ、名山から眺める関東平野の風景や歴史への想いを巡る旅の記録である。

大町桂月

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🎧 秋の筑波山 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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一 関城の趾

東京の人士、若し土曜日より泊りがけにて山に上らむとならば、余は先づ筑波登山を提出せむとする也。

上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条より筑波町まで一里、徒歩して一時間、都合六時間以内の行程、これ東京よりの順路なるが、上野発が午後二時二十分なれば、途中にて日が暮るべし。山に上らうといふ者は、それくらゐの事は辛捧せざるべからず。筑波山麓より筑波町まで、ほんの五六町の坂路也。筑波町に着きさへすれば、旅館四つ五つあり。その夜一泊して、翌朝山に上るべし。往復五時間あれば十分也。筑波町にて午食して、昨日の路を帰るとすれば、土浦まで歩きても、その日の中には、東京に帰らるゝ也。

ことしの九月二十四日と二十五日と、休日が二日つゞきければ、三児を伴ひ、桃葉をあはせて同行五人、上野より日光線に由り、小山にて乗りかへて下館に下る。下館より筑波町まで五里、大島までは馬車通ず。されど、我等は下妻さして行くこと二里、梶内より右折して関城の趾を探り、若柳、中上野、東石田、沼田を経て、一時間ばかりは闇中を歩きて、筑波町に宿りぬ。全二日の行程なれば、筑波登山の外、関城趾の覧古を兼ねたる也。

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