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TORENDIA

バキチの仕事

本文約2,200字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

元巡査であるバキチの風変わりな経歴と、現在の困窮する姿を描く。かつて兵隊や大工、飴屋などを渡り歩き、巡査を志願したバキチは、独特の手法で任務を遂行しては署長や町の人々を困惑させていた。ある時、病死した牛の調査中に失態を演じて免官となり、身一つで放り出された彼は、飢えと宿のなさに追い詰められ、夜の厩舎で馬と言葉を交わすほどの極限状態の中で、食を求めてさまようことになる。

宮沢賢治

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🎧 バキチの仕事 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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「ああそうですか、バキチをご存じなんですか。」

「知ってますとも、知ってますよ。」

「バキチをご存じなんですか。

小学校でご一緒ですか、中学校でご一緒ですか。いいやあいつは中学校なんど入りやしない。やっぱり小学校ですか。」「兵隊で一緒です。」

「ああ兵隊で、そうですか、あいつも一等卒でさね、どうやってるかご存じですか。」「さあ知りません。隊で分れたきりですから。」

「ああ、そうですか、そいじゃ私のほうがやっぱり詳しく知ってます。この間まで馬喰をやってましたがね。今ごろは何をしているか全く困ったもんですよ。」

「どうして馬喰をやめたでしょう。」

「だめでさあ、わっしもずいぶん目をかけました。でもどうしてもだめなんです。あいつは隊をさがってからもとの大工にならないで巡査を志願したのです。」「そして巡査をやったんですか。」

「それぁやりました。けれども間もなくやめたんです。」

「どうしてやめたんだろうなあ、何でも隊に来る前は、大工でとにかく暮していたと云うんですが。」

「それゃうそでさあ大工もほんのちょっとです。土方をやめてなったんです。その土方もまたちょっとです。それから前は知りません。土方ばかりじゃありません、飴屋もやったて云いますよ。」

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