六羽の白鳥
本文約6,600字 ・ 読了時間 約14分
あらすじ(AIが作成しました)
森に迷い込んだ王は、ある魔法使いの娘を妻に迎えるが、先妻の子である六人の王子は、まま母の呪いで白鳥に変えられてしまう。ただ一人難を逃れた妹姫は、兄たちを人間の姿に戻すため、六年間の沈黙を守り、えぞぎくの花で肌着を縫う過酷な試練に挑む。やがて、継母の悪だくみで火あぶりの刑に処せられそうになった姫の元へ白鳥たちが舞い降り、魔法を解いて無実を証明する物語を描く。
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一
ある国の王さまが、大きな森のなかで、狩をしたことがありました。王さまは、一ぴきけものをみつけて、むちゅうで追って行きました。お供のけらい衆のうち、たれひとりあとにつづくことができないくらいでした。するうち日がくれかけて来たので、王さまは追うことはやめて、立ちどまったまま見まわしてみて、森にまよいこんだことがわかりました。どこか出る路はないかとさがしましたが、みつかりませんでした。ふとみると、むこうからひとりのばあさんが、あたまをゆすぶりゆすぶりやって来ました。これはただのばあさんではなくて、魔法つかいの女でした。
「おばあさん、この森を出る道をおしえてくださらんか。」と、王さまはいいました。
「はいはい、王さま。」と、ばあさんは、こたえました。「それはおやすいご用でございますが、ただそのかわり、ひとつおやくそく願うことがございます。それをそのとおりしていただきませんと、王さまはこの森をけっしてお出になることができませんし、それなりかつえ死になさらなくてはなりません。」
「それはどんなやくそくだろう。」と、王さまはたずねました。
「わたくしに、ひとり、むすめがございます。」と、ばあさんはいいました。「うつくしいむすめでございまして、それはまず、王さまがこの世界で、ふたりとお手に入れることはできまいとおもわれるほどで、まったく王さまのお妃として不足はございません。いかがでしょう、むすめをお妃になさいますか、そうすれば森を出る路をおしえてさしあげましょう。」