TRENDIA CLASSIC

六羽の白鳥

グリム兄弟 Bruder Grimm

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ある国の王さまが、大きな森のなかで、狩をしたことがありました。王さまは、一ぴきけものをみつけて、むちゅうで追って行きました。お供のけらい衆のうち、たれひとりあとにつづくことができないくらいでした。するうち日がくれかけて来たので、王さまは追うことはやめて、立ちどまったまま見まわしてみて、森にまよいこんだことがわかりました。どこか出る路はないかとさがしましたが、みつかりませんでした。ふとみると、むこうからひとりのばあさんが、あたまをゆすぶりゆすぶりやって来ました。これはただのばあさんではなくて、魔法つかいの女でした。

「おばあさん、この森を出る道をおしえてくださらんか。」と、王さまはいいました。

「はいはい、王さま。」と、ばあさんは、こたえました。「それはおやすいご用でございますが、ただそのかわり、ひとつおやくそく願うことがございます。それをそのとおりしていただきませんと、王さまはこの森をけっしてお出になることができませんし、それなりかつえ死になさらなくてはなりません。」

「それはどんなやくそくだろう。」と、王さまはたずねました。

「わたくしに、ひとり、むすめがございます。」と、ばあさんはいいました。「うつくしいむすめでございまして、それはまず、王さまがこの世界で、ふたりとお手に入れることはできまいとおもわれるほどで、まったく王さまのお妃として不足はございません。いかがでしょう、むすめをお妃になさいますか、そうすれば森を出る路をおしえてさしあげましょう。」

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