ヘンゼルとグレーテル
本文約9,900字 ・ 読了時間 約20分
あらすじ(AIが作成しました)
森の近くに住む木こりの子供、ヘンゼルとグレーテルは、飢饉を理由に森へ置き去りにされる。小石で帰路を記し一度は生還するが、二度目はパンくずが鳥に食べられ迷い込む。空腹の中で二人はパンと菓子で作られた家を見つけるが、そこには子供を捕らえて食らう魔女が住んでいた。窮地に立たされた二人は協力して魔女から逃げ延び、魔女の蓄えた財宝を手に持ち、森を抜けて父の元へと帰還する。
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一
まずしい木こりの男が、大きな森の近くにこやをもって、おかみさんとふたりのこどもとでくらしていました。ふたりのこどものうち、男の子がヘンゼル、女の子がグレーテルといいました。しがなくくらして、ろくろく歯にあたるたべものを、これまでもたべずに来たのですが、ある年、国じゅうが大ききんで、それこそ、日日のパンが口にはいらなくなりました。木こりは、晩、寝床にはいったものの、こののち、どうしてくらすかかんがえると、心配で心配で、ごろごろ寝がえりばかりして、ためいきまじりに、おかみさんに話しかけました。
「おれたち、これからどうなるというんだ。かわいそうに、こどもらをどうやってくわしていくか。なにしろ、かんじん、やしなってやっているおれたちふたりの、くうものがないしまつだ。」
「だから、おまえさん、いっそこうしようじゃないか」と、おかみさんがこたえました。
「あしたの朝、のっけに、こどもたちをつれだして、森のおくのおくの、木ぶかい所まで行くのだよ。そこで、たき火をしてやって、めいめいひとかけずつパンをあてがっておいて、それなりわたしたち、しごとのほうへすっぽぬけて行って、ふたりはそっくり森の中においてくるのさ。こどもらにかえり道が見つかりっこないから、それでやっかいがぬけようじゃないか。」
「そりゃあ、おめえ、いけねえよ。」と、木こりがいいました。
「そんなこたあ、おれにはできねえよ。こどもらを森ん中へおきざりにするなんて、どうしたって、そんなかんがえになれるものかな。そんなことしたら、こどもら、すぐと森のけだものがでてきて、ずたずたにひっつぁいてしまうにきまってらあな。」
「やれやれ、おまえさん、いいばかだよ。」と、おかみさんはいいました。「そんなことをいっていたら、わたしたち四人が四人、かつえ死にに死んでしまって、あとは棺桶の板をけずってもらうだけが、しごとになるよ。」
こうおかみさんはいって、それからも、のべつまくしたてて、いやおうなしに、ていしゅを、うんといわせてしまいました。
「どうもやはり、こどもたちが、かわいそうだなあ。」と、ていしゅはまだいっていました。