斧を持った夫人の像
本文約12,100字 ・ 読了時間 約25分
あらすじ(AIが作成しました)
インデアナ州ラ・ポウト郡で農園を営む美貌の寡婦が、新聞の個人広告欄を通じて再婚相手を募集する。財産を持つ独身の紳士たちが、その魅力的な条件に惹かれ次々と農園を訪れるが、彼らは皆、到着後に消息を絶ってしまう。各地から失踪者の捜索願が相次ぐ中、警察はベル・ガンネスと名乗る寡婦の周囲で起こる不可解な事件の数々を突き止め、農園の惨劇に隠された戦慄の真相が明らかになる。
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「求縁――インデアナ州ラ・ポウト郡の風光明媚なる地域に、収穫多き農園を経営する美貌の寡婦、最も便宜なる近き将来において財産と人生を併合する意思の下に、相当以上の資財ある紳士との御交際を求む。文書の御照会は自由なるも、時日を約して自身御来談の誠意あるに非ざれば、当方も真剣に考慮する能わず――姓名在社」
個人欄の広告である。
読み終ったフレデリック・コウツは、銜えていた煙管をとって、ぷうと煙りを吹いた。
インデアナの北隣り、オハイオ州トレド市のコウツの家だ。新聞は、同市で最高の発行部数を有するトレド「通信蜂」紙で、毎夕のようにコウツは、晩食後自分の居間に引き篭って最終版の新聞に眼を通しているのだが、その、求職、求人、売家、貸間などの細字がごたごた並んでいる個人広告面にはついぞ注意を払ったこともないのに、何うした訳か、今夜に限って、ふとこの「求縁」の文字が彼の視線を捉えたのだ。
考えてみると、以前にも二、三度、同じ紙上で、これとおなじ広告を見たような気もするのである。
いやに開き直ったような、固苦しい文句――特徴のある調子だ。
インデアナ州なら、このオハイオからほんの一足南に下ったところ。そこのラ・ポウト郡の景色の好い土地に、可成り金になる農場を有っている美しい未亡人がある――コウツは、何時の間にか無意識に、一生懸命その広告文を読み返している。「最も便宜なる近き将来において財産と人生を併合する意思の下に」――「財産と人生を併合する意思」――コウツは首を捻った――「財産と人生を併合する?」