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TORENDIA

童話と教育について

本文約4,900字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

科学知識の普及により子供たちが現実的で合理的な童話を好むようになったとする教育上の見解を論じる。子供の心理は時代を超えて不変であり、夢や空想こそが科学的発見や創造性の源泉であることを説く。合理性を重視し子供の童話精神を抑圧する現代の日本の教育は、かえって知性の頽廃や創造性の欠如を招き、ひいては文化の衰滅につながると警鐘を鳴らす。創造的な科学者や芸術家を育てるには、夢や空想を涵養する教育が必要であると訴える。

萩原朔太郎

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🎧 童話と教育について / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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近頃の子供たちの悦ぶ童話は、昔とすつかりちがつたといふ説がある。今の時代の子供たちは、もはや昔の子供のやうに、フアンタスチツクで荒唐無稽のお伽話――森の妖精の話や、魔法使の話や、赤頭巾の話や、鉛の兵隊の話や、親指太郎の話や、ピノチヨの話や、惡魔が人間に化けた話や――などを悦ばないといふのである。ずつと幼い幼兒は別として、少し歳を取つた今の子供は、その種のお伽話に沒興味であり、彼等の悦ぶものは、もつと現實的で事實に即し、もつと科學的合理性のある童話だといふのである。これを語つた人は、今の子供の知性的進歩を示す證左として、教育上の悦ばしい現象として話をした。だがもし果してさうだとすれば、反對にこれは憂ふべき現象であり、教育上の由々しき大問題であると思ふ。

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