本文へ移動
TORENDIA

数学史の研究に就きて

本文約8,100字 ・ 読了時間 約17分

あらすじ(AIが作成しました)

数学者三上義夫は、明治三十八年に和算の研究に着手する。資料不足や資金難に苦しみつつも、岡本則録らの協力を得て『和漢数学発達史』や『日本数学史』を執筆し、海外で発表する。本作では、日本および支那の数学史を体系的にまとめる過程で直面した研究上の困難や、菊池大麓らとの交流、海外の研究者から寄せられる期待や要請を綴る。著者は、東洋の数学文化の正当性を欧米の学界へ立証し、さらに未完成の研究を深め完成させる意欲を示す。

三上義夫

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 12

私が数学史の研究に着手したのは、明治三十八年のことであった。これより先米国の数学者ハルステッド博士とふとしたことから文通上の知りあいとなり、同氏の勧めによって外国へ紹介する目的で少しばかり日本の数学のことを書いてみるつもりで着手したが、この頃に参考の書類といえば、故遠藤利貞翁の、『大日本数学史』(明治二十九年刊)があるばかりで、しかもその記事は了解し難きところ多く、古い日本の算書すなわち所謂和算書について研究しなければならぬことを感じた。しかるに新たに蒐集しようとしても経費があるでもなく、随分苦しんだのであった。幸いに岡本則録翁などの好意によって幾多の貴重な書類を供給されることが出来て、幸いにも一通りの記述を成し得たのである。

三上義夫の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本