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TORENDIA

明治哲学界の回顧

本文約5,800字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

明治維新以降、急速な西洋文明の輸入に伴い変容した日本の哲学思想の潮流を論じる。西周や福沢諭吉ら先覚者の活動、仏教・儒教の残存、大学への外国人招聘の影響を概観し、明治から大正にかけての思想界を三つの時期に区分する。さらに、実利的で客観的な系統と、唯心的で道徳的な系統という、対照的な二つの思想潮流の歴史的変遷を明らかにしようとする試みである。

井上哲次郎

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一

わが国には古来、神道だの儒教だの仏教の哲学が行なわれておったのであるけれども、西洋文明の輸入とともに別系統の哲学思想が新たに明治年間に起って来た。すなわちそれは西洋の哲学思想に刺戟せられて、わが国においても種々なる哲学的思索を促してきたのである。その結果、伝統的の東洋思想とはおのずから異った哲学思想の潮流を発生するようになってきた次第である。西洋思想の真先に輸入されたのは宗教思想(すなわちクリスト教)であったが、それに次いで医学、化学、物理学、植物学、兵学などが輸入されたのであったけれども、明治の初年に至って、哲学、論理学、心理学など、先覚者のはじめて注意するところとなって、思想界に清新の気運を喚起してきたのである。

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